マツダ・ロードスター 玄人好みの商品改良でどう変わった? NDのモデルライフ9年目へ(2)
公開 : 2024.02.11 20:25
主役はやはり新しい非対称LSD
最後にドライブしたSレザーパッケージVセレクション
今回の改良の効果を最も端的に感じられる1台だった。その要となっているのはアシンメトリックLSDである。
従来型の円錐クラッチ型LSDを装着したモデルに試乗し、そのあと新型に乗ると、スロットルオフ時のLSDの効きがクルマの姿勢を安定させる様子が手に取るようにわかった。
具体的にはコーナーの進入時、ブレーキングやスロットルオフで前荷重の姿勢をとったときのリアの持ち上がりが抑えられることで、右足を安心してスロットルの上に置いておくことができ早めに開けていくこともできる。
特に従来型と差が顕著だったのはブレーキングを伴わない中高速コーナーの進入で、わざと雑にスロットルオフしてみても、しっかり後輪を抑え込むLSDのおかげでピッチングの動きが非常にゆったりとしている。
基本的に曲がりにくいクルマをLSDや電子制御ベクタリング等で曲がる方向に持っていくのが昨今の主流といえる。ところがアシンメトリックLSDを装着したロードスターのアプローチはその真逆に近い。
もともと旋回が得意なクルマのリアのスタビリティを高めることで、ドライバーが自信をもって操れる状況をお膳立てしているのである。
シンプルなSにも感銘を受けたが、アシンメトリックLSDを装着したモデルはそれよりもひとクラス上の領域における「人馬一体」を実現している。ライバル不在でもちゃんと自分らしく進化する。
「大幅商品改良」の看板はその通りだと確信したのである。
試乗した3台のスペック
マツダ・ロードスターRF RS
価格:430万8700円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:3915×1735×1235mm
燃料消費率:15.8km/L(WLTC)
駆動方式:FR
車両重量:1110kg
パワートレイン:直列4気筒DOHC 1997cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:184ps/7000rpm
最大トルク:20.9kg-m/4000rpm
ギアボックス:6速MT
タイヤサイズ:205/45R17(フロント)205/45R17(リア)
マツダ・ロードスターS
価格:289万8500円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:3915×1735×1235mm
燃料消費率:16.8km/L(WLTC)
駆動方式:FR
車両重量:1010kg
パワートレイン:直列4気筒DOHC 1496cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:136ps/7000rpm
最大トルク:15.5kg-m/4500rpm
ギアボックス:6速MT
タイヤサイズ:195/50R16(フロント)195/50R16(リア)
マツダ・ロードスターSレザーパッケージVセレクション
価格:355万3000円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:3915×1735×1235mm
燃料消費率:AT車 16.8km/L(WLTC)/ MT車 17.2km/L(WLTC)
駆動方式:FR
車両重量:1030kg(MT)/1070kg(AT)
パワートレイン:直列4気筒DOHC 1496cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:136ps/7000rpm
最大トルク:15.5kg-m/4500rpm
ギアボックス:6速オートマティック/6速MT
タイヤサイズ:195/50R16(フロント)195/50R16(リア)