オンロードでクロカン四駆を比較試乗 ジープ・ラングラー×ランドローバー・ディフェンダー130
公開 : 2024.02.12 17:45
食わず嫌いは後悔する?
ハンドリングは、欧州車や日本車と比べるとパワーステアリングのフィーリングは軽めだが、プラットフォームの一体感がしっかり分かるため、走りの先読みができて走りやすい。
改めて言うと、ラングラーは現世代になってから、操縦安定性と取り回し易さが一気に向上している。土台がかっちりし、サスペンションがしっかり動くことで、容量がある程度大きなバッテリーを搭載するプラグインハイブリッドになっても、走りの良さが実感できるのだ。
筆者は80年代からアメリカでの生活の中で、これまでジープ・ブランドの各種モデルを試乗し、またジープの経営母体が変わる度にアメリカのエンジニアやマーケティング担当者からジープが目指す世界観についてレクチャーを受けてきた。
そうした中で、直近の電動化戦略「4xe」に対するインパクトが極めて大きかった。
2022年の発表では、2030年には全てのモデルに電気自動車(EV)を導入するとしている。ジープの電動化、いまだに食わず嫌いの方もいると思うが、是非一度、その走りを味わってジープの未来を感じ取って欲しい。
そんなジープでの走りが身体に染み込んだ後、ディフェンダー130 アウトバウンドD300に乗り込んだ。すると…
こんなに気軽に乗れるのか?
なにせ、ディフェンダー130 アウトバウンドD300は、見た目のインパクトが極めて強いものだからこちらも自然と身構えてしまう。
ランドローバー・ブランドの中でも、現行ディフェンダーのエクステリアデザインの独自性が強く、その魅力に惹かれて他ブランドからディフェンダーに乗り換えた人も少なくない。
特に、今回の試乗モデルは車体後部に強靭さを示すデザインを施している。
全長5275mmx全幅1995mmx全高1970mmと、ルビコン4xeと比べてひとまわりボディサイズが大きいのだが、走行感としてはルピコン4xeと同等、またはそれ以上に取り回しが楽なのだ。
直列6気筒DOHCターボ・排気量2993ccで車重は2610kgだが、クルマの動きに重ったるさはまったくなく、扱いやすいSUVという感覚だ。
その上で、ダッシュボードのディスプレイで四駆性能に関するセッティングを見ると、まさに本格四駆であることがしっかりと分かる。オンロードの走りのように、悪路でも扱いやすいことが十分に想像できる1台だ。
このように、今回試乗した2モデルは「見るからに本格四駆」という風貌に反して普段使いは楽だが、ブランドの設計思想は明確に異なる。
画像 比較試乗「ジープ・ラングラー・ルビコン4xe」/「ランドローバー・ディフェンダー130 アウトバウンドD300」と各車両の写真をみる 全106枚