ミドルサイズSUVのGLCにスポーツモデル「43」が追加 メルセデスAMG GLC 43 4マティック BSGも搭載

公開 : 2024.02.17 11:45

メルセデスAMG GLC 43 4マティックのパワートレイン

パワートレイン

F1由来の新技術を採用した直列4気筒エンジン「M139」

GLC 43は「ワンマン、ワンエンジン」の主義に従い熟練のマイスターが手作業で丹念に組み上げる直列4気筒エンジン「M139」を搭載する。

GLC 43は最高出力421ps/最大トルク50.99kg-mを発生し、このM139にはエレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーを採用したという。

メルセデスAMG GLC 43 4マティック
メルセデスAMG GLC 43 4マティック

このターボチャージャーはF1由来の技術で、メルセデスAMGペトロナスF1チームがモータースポーツの最高峰であるF1において長年採用して実績を上げているシステムを直接のベースとするものであると語る。

エレクトリック・エグゾースガス・ターボチャージャーの電気モーターは厚さ約4cmで排気側のタービンホイールと吸気側のコンプレッサーホイールの間のターボチャージャーの軸に直接一体化されており、このモーターが電子制御でターボチャージャーの軸を直接駆動し、コンプレッサーホイールを加速する。この加速は、コンプレッサーホイールが通常のターボチャージャーと同じく、排気の流れによって駆動されるようになるまで行われる。

これにより、アイドリングスピードから全エンジン回転域にわたって、レスポンスの速さが大きく改善されるという。またアクセル操作に対するエンジンのレスポンスがいっそう自然なものとなるほか、ダイナミックな走りが楽しめるようになると語る。

これに加え、ターボチャージャーの電動化は低回転域のトルクを高める効果をもたらし、アジリティや発進加速性能の向上につながり、アクセルから足を離したり、ブレーキを踏んだりした場合でも、エレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーは常にブースト圧を維持することができるため、速やかなレスポンスが途切れることなく得られるという。

このターボチャージャーは車載の48V電気システムを電源とし、最大17万5000rpmまで動作することで、きわめて高い空気流量を可能とし、ターボチャージャーと電気モーター、それに電子制御ユニットは、エンジンの冷却システムに接続されており、常に最適な温度管理を行う。

また、GLCに初めて採用したBSGは第2世代のもので、48V電気システムの中ではマイルドハイブリッドとしても機能し、短時間ではあるが、出力を14ps高めるブースト機能のほか、セーリングモードや回生ブレーキにより効率を最大限に高めるという。

同時に48Vテクノロジーは、ECOスタートストップ機能やセーリングモードの間の切り替えがほぼ感じられないほど滑らかに行われることから、快適性の改善にも役立つと付け加えた。

メルセデスAMG GLC 43 4マティック その他走りに関連する機能は?

トランスミッション:AMGスピードシフトMCT

GLC 43のトランスミッションには、従来63モデルにのみ搭載されていた「AMGスピードシフトMCT」(9速オートマティックトランスミッション)を採用した。トルクコンバーターの代わりに湿式多板クラッチを搭載し、ダイレクト感のある素早いシフトチェンジと高い伝達効率を実現したと話す。

パフォーマンス志向のフルタイム四輪駆動システム「AMG 4マティック」

パフォーマンス志向フルタイム四輪駆動システムのAMG 4マティックは、前後トルク配分が31:69とAMG独自の後輪重視型であるという。この後輪重視の配分により、横方向加速度を高めるなどダイナミックなハンドリングを強化するとともに、加速時のトラクションも改善された。

リア・アクスルステアリング

メルセデスAMG GLC 43 4マティック
メルセデスAMG GLC 43 4マティック

GLC 43には、後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」が標準装備された。約100km/h以下では、リアホイールをフロントホイールとは逆方向に最大約2.5度傾けることにより日常の走行シーンや、駐車する際には回転半径が小さくなるため、クルマが扱いやすくなる。

約100km/hを超えると、リアホイールをフロントホイールと同じ方向に最大約0.7度操舵することで、走行安定性を大きく高め、従来のメルセデスの美徳である小回り性能を犠牲にしないだけではなく、中高速域での安定性や、優れたハンドリングも並立させたと述べた。

AMG強化ブレーキシステム

フロントに4ピストンの固定キャリパーにドリルドベンチレーテッドディスク、リアに1ピストンのフローティングキャリパーにベンチレーテッドディスクを採用し、強大な制動力と耐フェード性、ペダル操作に対する優れた応答性を発揮するという。

AMGパフォーマンスステアリングホイール

走行中に手を放すことなく各種メニュー操作が可能なAMGドライブコントロールスイッチを備えたAMGパフォーマンスステアリングを標準装備した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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