累計販売260万台SUV GLCにトップパフォーマンスモデル発表 メルセデスAMG GLC 63 S Eパフォーマンス

公開 : 2024.02.18 11:45

パワートレインと高性能バッテリー

パワートレイン

GLC 63 S Eの駆動システムは、2Lの4気筒ターボエンジンに交流同期モーターとAMG自社開発の高性能バッテリー(6.1kWh)それにAMGのパフォーマンス志向連続トルク可変配分四輪駆動システムの4マティック+を組み合わせたもので、システム出力680ps/最大システムトルク104.01kg-mを発生する。結果0-100km/h加速は3.5秒と公表された。

定格出力80kW/ピーク出力150kW(最大10秒間)の交流同期モーターはリアアクスルに搭載されており、電動シフト式2速トランスミッションおよび電子制御式リミテッド・スリップ・デフとともにコンパクトなエレクトリックドライブユニット(EDU)にまとめられて、P3ハイブリッド(変速機内あるいは変速機よりも下流に電気モーターを置く)と呼ばれるレイアウトを採用。

メルセデスAMG GLC 63 S Eパフォーマンス
メルセデスAMG GLC 63 S Eパフォーマンス

軽量の高性能バッテリーはリアアクスル上方に搭載され、このコンパクトな設計レイアウトには以下のメリットがあると述べる。

・電気モーターがリアアクスルを直接駆動するため、動力をよりダイレクトにトラクションに変換でき、発進時/加速時/追い越し時などに追加的な加速力(ブースト)を得ることができる。

・電気モーターのパワーはその性質上、最大トルクが瞬時に立ち上がるため、きわめて俊敏な発進/加速が可能となる。

・電子制御式リミテッド・スリップ・デフが一体化されているので、後輪左右への駆動力が適正配分されることから、例えばコーナー出口での再加速時のアジリティがさらに向上したほか、トラクションが確実に確保されるので高い走行安全性も実現する。

・リアアクスルのスリップ量が増えると、4輪のトラクションバランスを高めるため、電気モーターの駆動力が必要に応じてフロントホイールにも伝達される。この作動はトルク連続可変配分式四輪駆動システムがプロペラシャフトとフロントホイールのドライブシャフトを介して機械的に行う。

・EDUをリアアクスルに直接取り付けることで、車両の前後重量配分とアクスル荷重配分が改善され、ハンドリング性能の向上に寄与する。

・回生ブレーキによる熱エネルギーの回収は、エンジンおよびトランスミッションによる機械損失、油圧損失をシステムとして最小限に抑えるAMGのコンセプトにより、きわめて高い効率を実現する。

・リアアクスルの自動変速式2速トランスミッションは、俊敏な発進から高速走行時の安定的な連続出力に至るまで、広い範囲をカバーでき、2速への切り替えは、電気モーターの最高回転数である1万3500rpmに相当する車速約140km/hに達するまでの間に、電動アクチュエーターによって行われる。

AMG 高性能バッテリー

AMGハイパフォーマンスバッテリー(HPB)の開発は、メルセデスAMGペトロナスF1チームが使用しているF1ハイブリッドレーシングマシンのきわめて苛酷な条件下で実証済みの先進テクノロジーを元に進められたという。

AMG 高性能バッテリーは、高出力を頻繁に繰り返し発生できる能力と軽量構造とを兼ね備えることで、クルマの総合的なパフォーマンスを高め、充電速度が速いことと出力密度が高いことも特長で、これによって、アップダウンのあるワインディングを高速走行する場面などでは、上りでただちに 100%のパワーを引き出すことができる一方、下りでは強力な回生ブレーキが実現可能となる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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