累計販売260万台SUV GLCにトップパフォーマンスモデル発表 メルセデスAMG GLC 63 S Eパフォーマンス

公開 : 2024.02.18 11:45

AMGエンジン単体やトランスミッションはどうなっている?

エレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーを搭載したAMG 2Lターボエンジン

GLC 63 S Eは、直列4気筒エンジンとして「ワンマン、ワンエンジン」の主義に従い熟練のマイスターが手作業で丹念に組み上げる「M139」を搭載する。

GLC 63 S Eはエンジン単体で最高出力476ps/最大トルク55.57kg-mを発生する。このM139にはエレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーを採用し、このターボチャージャーはF1由来の技術で、メルセデスAMGペトロナスF1チームがモータースポーツの最高峰であるF1において長年採用して実績を上げているシステムを直接のベースとするものだと語る。

メルセデスAMG GLC 63 S Eパフォーマンス
メルセデスAMG GLC 63 S Eパフォーマンス

エレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーの電気モーターは厚さ約4cmで排気側のタービンホイールと吸気側のコンプレッサーホイールの間のターボチャージャーの軸に直接一体化される。このモーターが電子制御でターボチャージャーの
軸を直接駆動し、コンプレッサーホイールを加速し、この加速は、コンプレッサーホイールが通常のターボチャージャーと同じく、排気の流れによって駆動されるようになるまで行われる。

これにより、アイドリングスピードから全エンジン回転域にわたって、レスポンスの速さが大きく改善され、アクセル操作に対するエンジンのレスポンスがいっそう自然なものとなるほか、ダイナミックな走りが楽しめるようになる。

これに加え、ターボチャージャーの電動化は低回転域のトルクを高める効果をもたらし、アジリティや発進加速性能の向上につながり、アクセルから足を離したり、ブレーキを踏んだりした場合でも、エレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーは常にブースト圧を維持することができるため、速やかなレスポンスが途切れることなく得ることができるという。

このターボチャージャーは車載の400V電気システムを電源とし、最大17万5000rpmまで動作することで、きわめて高い空気流量を可能にし、ターボチャージャーと電気モーター、それに電子制御ユニットは、エンジンの冷却システムに接続されており、常に最適な温度管理を行うと付け加えた。

BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)は、ジェネレーターとスターターを1つのモーターに統合したものでエンジンを始動させるほか、クライメートコントロールなどの電装品に対して基本的な電力を供給し、このBSGは400V高電圧電気システムに組み込まれているため、レスポンスがきわめて良好だと話す。

トランスミッション:AMGスピードシフトMCT

GLC 63 S Eのトランスミッションには「AMGスピードシフトMCT」(9速オートマティックトランスミッション)を採用。トルクコンバーターの代わりに湿式多板クラッチを搭載し、ダイレクト感のある素早いシフトチェンジと高い伝達効率を実現するという。

トルクコンバーターに見られる損失を低減し、軽量化も相まってレスポンス向上に貢献しながら、シフトダウン時のブリッピング機能やレーススタート機能によってダイナミックな走りも愉しめると付け足した。

AMGパフォーマンスステアリングホイール

走行中に手を放すことなく各種メニュー操作が可能なAMGドライブコントロールスイッチを備えたAMGパフォーマンスステアリングを標準装備した。

AMGリアルパフォーマンスサウンド

車内でよりエモーショナルなサウンド体験を味わえるAMGリアルパフォーマンスサウンドを標準装備。これは、状況に応じて周辺環境に対する静粛性も求められる現代のスポーツカーならではの先進的な装備だとメルセデスは表現した。

エグゾーストシステムに備わるセンサーによって実際の排気音を拾い、それに応じたサウンドを車内のスピーカーから再生することで、車外の音を抑えながら官能的なドライビングを楽しむことができるという。

静粛性/快適性重視の「バランスド」とエモーショナルな「パワフル」の2つのモードが備わり、AMGダイナミックセレクトのモードに応じて変化し、AMGドライブコントロールスイッチやメディアディスプレイでモードを直接変更することも可能となる。

ブルメスター3Dサラウンドサウンドシステム

GLC 63 S Eは「ブルメスター3Dサラウンドサウンドシステム」を採用。デジタル技術により各スピーカーをアクティブに駆動することで、表現力豊かで自然なサウンドを生み出し、走行ノイズの変化に関わらず最適なサウンドを維持するためのVNC(ビークル・ノイズ・コンペンセーション)を備える。

メルセデスAMG GLC 63 S Eのその他の特長

トランスペアレントボンネット

オフロード・モードでは、360°カメラシステムを使い「トランスペアレント・ボンネット」機能が使用可能だ。メディアディスプレイにクルマのフロント部分下方の路面の映像(フロントタイヤとその操舵方向を含む)を仮想的に映し出す機能で、進路上にある大きな石や深い窪みなどの障害を車外に出ることなく確認することができる。

オフロードスクリーン

オフロードスクリーンは、コックピットディスプレイおよびメディアディスプレイに情報や操作スイッチ類、さまざまな機能を分かりやすく配置する機能で、オフロード走行に関連するすべての運転機能を1つの画面で簡単に操作することが可能となるという。

ARナビゲーション

メルセデスAMG GLC 63 S Eパフォーマンス
メルセデスAMG GLC 63 S Eパフォーマンス

車両の前面に広がる現実の景色がナビゲーション画面の一部に映し出され、その進むべき道路に矢印が表示されるAR(拡張現実)ナビゲーションを標準装備した。従来、目的地を設定して行先案内をする場合、地図上に進むべき道路がハイライトされますが、ARナビゲーションにより、直感的にどの道路に進むべきかを判断することができるとアナウンスされた。

その他にも最新メルセデス車ではおなじみとなったMBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)やインテリジェントドライブも備える。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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