大幅強化のハイブリッド BMW X5 xドライブ50eへ試乗(1) 巨大モニターパネルに489ps
公開 : 2024.02.25 19:05
登場から四半世紀が過ぎたX5 4代目のG05型がアップデート プラグインHVのバッテリーは25.7kWhへ拡大 システム総合で489ps 英国編集部が評価
快適性へ重きが置かれた4代目のX5
1999年の発売以来、BMWはX5をSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)ではなく、SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)だと主張してきた。その効果なのか、25年間に220万台を販売。マーケティング部門は、しっかり機能していたようだ。
確かな成功を築き上げてきたモデルなだけに、最新世代のアップデートでも間違いは許されない。ポルシェ911やフォルクスワーゲン・ゴルフGTIと同様に。実用性や操縦性など、X5へ掛かる期待は大きい。
2019年に発売された4代目となるG05型では、動的特性の中でも、特に快適性へ重きが置かれた。一部の仕様ではエアサスペンションが標準で、エアコンは4ゾーン。フロントと、オプションでサイドに、防音ガラスも装備できる。
それでいて、これまで以上に魅力的なドライビング体験も約束されている。パノラミック・グラスルーフを指定できるが、電子制御のアンチロール機能も追加可能。物理の法則へ反するような走りは、最新世代でも健在のようだ。
2023年に受けたフェイスリフトで、英国仕様のX5は4種類へ絞られた。3.0Lディーゼルターボのxドライブ30dと、xドライブ40dのほか、プラグイン・ハイブリッドのxドライブ50eに、V8ツインターボのX5 Mというラインナップとなる。
バッテリーは25.7kWhへ拡大 システム総合で489ps
G05型が登場した当初、キドニーグリルの巨大化へ話題が集まったが、フェイスリフトでは拡大しなかった。見慣れた今では、大きなSUVのフロントマスクで、バランス良く納まっているように映る。
新しいノイエクラッセ・コンセプトを見る限り、BMWは落ち着いたスタイリングへ回帰しようとしているのかもしれない。ヘッドライトはスリムだ。
ボディサイズは3代目から成長し、フェイスリフト後の全長は4935mm、全幅が2004mm、全高は1765mmという巨体。もしこれで不足なら、全長5181mmのX7も選べる。車重は、今回試乗したxドライブ50eで2420kgある。
パワートレインは大幅に見直され、従来のxドライブ45eから50eへ、数字が増やされるほど。荷室のフロア下に積まれる駆動用バッテリーは、20.9kWhから25.7kWhへ増量。電気の力だけで、最長93km走ることが可能となった。
駆動用モーターも強化され、45eでは112psだったが、50eでは196psを発揮する。B58型の直列6気筒ターボガソリンは、燃費向上を目的にミラーサイクル化。286psから312psへ上昇し、システム総合での最高出力は489psになった。
トランスミッションは、ZF社製の8速オートマティック。前後のトルク分配を叶えた、多板クラッチの四輪駆動システム、xドライブが組まれる。オプションのオフロード・パッケージを選ぶと、リアにリミテッドスリップ・デフが装備される。
xドライブ50eでは、エアサスが標準。アクティブ・アンチロールバーと後輪操舵システムがオプション設定されるものの、試乗車は装備していなかった。