最大の強みはインテリア! プジョー3008 ハイブリッド136へ試乗 シートへ座れば魅力を実感

公開 : 2024.02.28 19:05

3代目へ一新した3008に、1.2L 3気筒ガソリンターボのマイルドハイブリッドが登場 インテリアが最大の強み 強めの加速で感じるパワー不足 英国編集部が評価

1.2L 3気筒ガソリンターボのマイルドHV

欧州ではバッテリーEVの新しいプジョーE-3008へ注目が集まっているが、「E」の付かない内燃エンジン版、3008も存在する。英国価格は1万1200ポンド(約208万円)もお安く、車重は550kgも軽い。

3代目へモデルチェンジした3008シリーズは、バッテリーEVとして優先的に設計された。対して、内燃エンジン版に載るのは、1.2L直列3気筒ガソリンターボのマイルド・ハイブリッド。英国での販売は、2024年9月からが予定されている。

プジョー3008 ハイブリッド136 アリュール(欧州仕様)
プジョー3008 ハイブリッド136 アリュール(欧州仕様)

見た目では、3008とE-3008はほぼ同じ。違いといえば、トランクリッドにEの文字が備わらないことと、ホイールアーチ・モールの膨らみが僅かに弱くなること程度。タイヤの幅が10mm細くなる。

ボディパネルは同一で、全長は4542mm、全幅は1895mm、全高は1641mm。欧州ではCセグメントのど真ん中といえるサイズになり、日産キャシュカイ(旧デュアリス)やフォルクスワーゲンティグアンと競合する。

ステランティス・グループで広く共有される、STLAミディアム・アーキテクチャの細かな設計は、E-3008と異なる。巨大な駆動用バッテリーを搭載する必要がないためだ。

とはいえ、バッテリーの保護を前提とした衝突構造は共通で、フロア部分などが大幅に強化されている。このクラスでは約100kg近く重い、1573kgの車重を持つ理由でもある。サスペンションは、リア側がマルチリンク式ではなく、トーションビーム式だ。

生産拠点も、フランス西部のソショー工場で共有。2024年後半には、プラグイン・ハイブリッド版も追加されるそうだ。

インテリアが最大の強み 便利なショートカット機能

3代目の3008で、最大の強みといえるのがインテリア。エントリーグレードのアリュールでも、内装には高品質な素材が用いられる。使い勝手を犠牲にせず、ライバルを凌駕する印象的な造形と、知覚品質を与えることに成功している。

ダッシュボードの上部には、メーター用モニターとインフォテインメント用タッチモニターが一体の、ワイドなモニターパネルが載る。多少文字は読みにくいかもしれないが、表示が非常に滑らかで、システムの反応は素早い。

プジョー3008 ハイブリッド136 アリュール(欧州仕様)
プジョー3008 ハイブリッド136 アリュール(欧州仕様)

モニターの下には、i-トグルと呼ばれるショートカット・タッチセンサーが並ぶ。シートヒーターの温度調整や特定の人へ電話をかけるなど、細かい内容で機能を割り振ることが可能。かなり使いやすいと思う。

フロントシートは、適度なサポート性を備え快適。リアシートは、クラス最大の広さとはいえないにしろ、大人でも狭く感じることはない。斬新なデザインでありつつ、機能性も担保されている。素材の雰囲気が手伝って、3008の車内は全体的に好印象だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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