数10年ぶりに「後輪駆動」復活! ボルボXC40 リチャージへ試乗 らしいリラックスSUV

公開 : 2024.02.29 19:05

人気者が数10年ぶりの「後輪駆動」へ ボルボXC40 リチャージへ試乗 らしいリラックスSUV

ボルボとしては数10年ぶりの後輪駆動

ボルボXC40は間もなくモデルチェンジを受けるが、2023年の英国では、同社トップ2の販売数を稼ぎ出した。これを超える人気者は、XC60だ。

ひと回り小さくお手頃なEX30も登場したとはいえ、近年の市場において、ブランドファンを構築した立役者といえば、XC40。コンパクトSUVが入り乱れる中で、発売のタイミングも絶好だった。

ボルボXC40 リチャージ・アルティメット(英国仕様)
ボルボXC40 リチャージ・アルティメット(英国仕様)

現代の成功モデルらしく、XC40はこれまでに多くのアップデートを受けている。当初は内燃エンジンのみの設定だったが、2019年にプラグイン・ハイブリッドが登場。2020年には、バッテリーEV仕様も投入された。

その後ラインナップが整理され、英国ではディーゼルエンジンが廃止に。2023年には、プラグイン・ハイブリッドも落とされた。

現在のグレートブリテン島で選べるXC40は、マイルド・ハイブリッドのガソリンエンジンと、バッテリーEVの「リチャージ」という2種類のみ。今回は、その後者へ試乗してみよう。

スタイリングは、フォーマルで落ち着いたXC60やXC90と比べると、斬新で若々しい。サイド面はフラットで、印象的でありつつ親しみやすい。

XC40 リチャージの場合、2023年にパワートレインの刷新が図られ、シングルモーターでは強力な永久磁石同期式を獲得。それまでフロント側に載っていた配置も、リア側へ変更され、ボルボとしては数10年ぶりの後輪駆動となった。

四輪駆動のリチャージ・ツインでは、非同期モーターをフロントに追加。駆動用バッテリーは、最大82kWhまで設定される。プラットフォームは、同社のCMAだ。

7年が過ぎても魅力的なインテリア

今回の試乗車は、シングルモーターのXC40 リチャージ・アルティメット。駆動用バッテリーは、66kWhのニッケル・マンガン・コバルト・タイプ。サスペンションはコイルスプリングで、フロントがマクファーソンストラット、リアはマルチリンク式だ。

ちなみに、内燃エンジン版には2.0L 4気筒ターボが載り、XC40 B3では163ps、B4では196psがうたわれる。基本的に、これは2017年から大きな変更はない。

ボルボXC40 リチャージ・アルティメット(英国仕様)
ボルボXC40 リチャージ・アルティメット(英国仕様)

登場から7年が過ぎるが、車内は今でも魅力的。肌触りの良い素材が多用され、硬質なプラスティック製部品も、風合いには気が配られている。ウールが混ぜられたシート・ファブリックのほか、ドアハンドルや送風口など、ディティールも好印象だ。

ダッシュボードはシンプル。バッテリーEVなだけに、エンジンスタートボタンはなく、キーを持って乗車し、ドライブを選べばシステムオン。ハンドブレーキは、自動で制御される。

タッチモニターが備わる一方、オーディオのボリュームやエアコンには実際に押せるハードスイッチが残る。それ以外の殆どの車載機能は、グーグルと共同開発された、インフォテインメント・システムを介する。

ホーム画面は見やすく、ショートカット・アイコンへ触れれば、運転支援システムの切り替えもスムーズ。音声操作システムが強みといえ、カーナビの目的地設定や、目的地の天気確認などへ対応する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事