ついに日本でCR-Vが販売されるだって? ホンダ発表、FCEVになって今夏「来日」

公開 : 2024.02.28 10:00

長年の研究開発と最新の協業 燃料電池は全方位に性能向上

ホンダでは1990年代後半からFCEVの開発を進めており、2002年にはFCX、2008年にはFCXクラリティ、そして2016年にはクラリティ・フューエルセルを発売してきた。今回のCR-V e:FCEVに搭載される燃料電池は、いわば第2世代にあたり、米国のGMと共同開発してきたシステムだ。

FCスタックはセル構造などの改良により白金使用量を80%削減し、セル積層数も大幅に削減しつつも同等のネットパワーを確保。新素材の採用や生産性の向上によりコストは3分の1以下、耐久性は2倍以上に。そして耐低温性も大幅に向上させている(クラリティ・フューエルセル比、以下同じ)。水素の充填走行可能距離は600km以上、EV電力走行可能距離は60km以上という。

AC普通充電/給電用ポートは左フロントフェンダーにある。
AC普通充電/給電用ポートは左フロントフェンダーにある。    篠原政明

パワーユニットのスペックなどについては現段階では公表されていないが、燃料電池スタックやモーターギアボックス、電動ターボエアポンプ、ACコンプレッサーなどを一体化することにより、ノイズやバイブレーションを大幅に低減させている。

充電はAC普通充電のみでCHAdeMO規格の急速充電には対応しない。それでも、ドライブモードはオート/セーブ(バッテリー残量を維持)/チャージ(バッテリーを充電)/EV(バッテリー電力を優先)の4種が備わる。これをうまく使えば、3分で充填できる水素と電気を使い分けて、両方のいいとこ取りで賢く走ることができそうだ。

AC普通充電/給電用ポートは左フロントフェンダーにあり、標準装備のコネクターを使うことで100Vコンセントを持つ家電に最大1500Wまで給電することができる。水素充填用ポートは左リアフェンダーに、CHAdeMO規格の給電用ポートはラゲッジスペース右奥に備わる。

ボディカラーは、訴求色のプラチナムホワイトパールと、メテオロイドグレー・メタリックの2色を設定。

生産は、エンジン車のCR-Vと同様にオハイオ州にある米国ホンダの工場で行われる。車両価格などの詳細は未定だが、クラリティ・フューエルセルと同様にリース販売が予定されているようだ。

なお、CR-V e:FCEVは日本に加えて米国においても2024年中には販売が予定されている。また、e:FCEV以外のCR-Vは、現段階では日本への導入は検討されていない。

プラグイン充電機能を備え、より使い勝手の幅が広がったCR-V e:FCEVのデビューが楽しみだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 編集

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