4.4mを超えても「ちゃんとミニ!」 新型カントリーマンへ試乗 らしい走りのゴーカート・モード

公開 : 2024.03.01 19:05  更新 : 2024.03.07 07:31

思わず見惚れる円形タッチモニター

ダッシュボード表面は、リサイクルされたポリエステル素材で覆われ、ツートーンのコーディネートが華やか。トリムグレードに合わせて、多様なデザインが設定されるという。JCWの場合は、レッドとブラックの2色になる。

中央には直径9.4インチの、丸いインフォテインメント用タッチモニターが突き出ている。ミニによれば、OLEDタイプの採用は量産車初だとか。初めて乗ると、大きなスピードメーターが美しく描き出され、思わず見惚れてしまう。

ミニ・カントリーマン・ジョン・クーパー・ワークス オール4スポーツ(欧州仕様)
ミニ・カントリーマン・ジョン・クーパー・ワークス オール4スポーツ(欧州仕様)

少し時間が過ぎると、メーター用モニターが備わらず、ダッシュボードに殆どスイッチが存在しないことへ気付く。モニターの下には、イグニッションとオーディオ、シフトセレクター、エクスペリエンス・モードのハードスイッチが並ぶ。

さらに下部には、スマートフォン用のワイヤレス充電パッドと、カップホルダーが2つ。小物入れも備わる。JCWではヘッドアップディスプレイが標準装備で、速度などが投影される。

インフォテインメント・システムは、BMWのiドライブがベース。円形モニター用に改良を受けており、ミニ独自のアプリも実装する。画面上部はメーター用エリアで、ヒーターなどのインターフェイスが周囲にレイアウトされる。

試乗車ではソフトウエアの動作が遅くなる場面があったが、アップデートで改善されることへ期待。エアコンの温度などはスライダーで表示され、タップすると拡大されるものの、実際に押せるハードスイッチの方が操作はしやすい。

ミニらしい操縦性のゴーカート・モード

音声操作システムが実装され、パーソナルアシスタントとして、スパイクと名付けられた犬のキャラクターが反応する。子どもには喜ばれそうだ。

先述したエクスペリエンス・モードには、8種類がある。タッチモニターのグラフィックやドライブモードを統合したもので、その名の通り運転体験に変化を与えてくれる。

ミニ・カントリーマン・ジョン・クーパー・ワークス オール4スポーツ(欧州仕様)
ミニ・カントリーマン・ジョン・クーパー・ワークス オール4スポーツ(欧州仕様)

例えばゴーカート・モードを選ぶと、JCWではブラックとレッドのグラフィックになり、タコメーターが描かれる。タイムレス・モードでは、クラシックなグラフィックのスピードメーターが描かれ、カラーもセピア調に変化する。

モードを切り替えると、サウンドロゴも鳴る。スーパーファミコンからサンプリングしたような、デジタル音が。

またゴーカート・モードでは、エンジンのレスポンスやサウンド、サスペンションなどがスポーティに。シャープな走りを味わえる、いわゆるスポーツ・モードだ。同様にコアはノーマル、グリーンはエコと考えるとわかりやすい。

このゴーカート・モードは、特にミニらしい操縦性を体現したものだろう。同社の開発技術者と会話を交わすと、必ずといっていいほど「クラシックなゴーカート・ハンドリング」を提供したい、という考えを口にする。

SUVにとって、簡単な要求ではないかもしれない。それでも、ステアリングホイールを握ってみると、確かにダイナミック。遊び心を感じ取れる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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