4.4mを超えても「ちゃんとミニ!」 新型カントリーマンへ試乗 らしい走りのゴーカート・モード

公開 : 2024.03.01 19:05  更新 : 2024.03.07 07:31

個性的で望ましいクロスオーバーの選択肢

ステアリングの反応は、ダイレクトでクイック。素早い旋回を軽々と披露する。印象としては、X1よりシャープでファン。それでいて、操縦系には適度な重み付けもあり、安定性も疎かになっていない。

JCWの場合、サスペンションが通常より引き締められ、乗り心地は硬め。我慢を強いるほどではないが。試乗車は20インチ・ホイールを履いていたが、段差の衝撃は充分になだめていた。

ミニ・カントリーマン・ジョン・クーパー・ワークス オール4スポーツ(欧州仕様)
ミニ・カントリーマン・ジョン・クーパー・ワークス オール4スポーツ(欧州仕様)

四輪駆動システムは、トラクションのバランスを高めながら、カーブでの落ち着きに貢献。タイヤサイズは2代目からワイドになり、グリップも充分以上といえた。

BMW譲りの4気筒ターボガソリンは、パワフルでレスポンシブ。0-100km/h加速5.6秒を疑わない勢いがあり、トルクも太く粘り強い。質感もプレミアムだ。

車内で聞こえるエンジン音には、レーシングカーへ影響を受けたという、人工音が重ねられる。JCWを名乗るホットハッチ的な気分を高める、と感じる人もいるだろう。

とはいえ、ドライバーズカーと呼べるわけではない。楽しさがプラスされるJCWであっても、カントリーマンは実用的なファミリー・クロスオーバーだといえる。

しかし、ミニらしいプレミアム感や若々しい雰囲気は大きな魅力。実用性も悪くなく、サイズは合理的なもの。ライバルモデルへ埋もれない、個性的で望ましい選択肢が誕生したといえる。ミニと呼べる大きさではないが、確かにミニだと感じた。

ミニ・カントリーマン・ジョン・クーパー・ワークス オール4スポーツ(欧州仕様)のスペック

英国価格:4万425ポンド(約752万円)
全長:4433mm
全幅:1843mm
全高:1656mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:5.6秒
燃費:12.0-12.8km/L
CO2排出量:177-188g/km
車両重量:1660kg
パワートレイン:直列4気筒1984cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:300ps
最大トルク:40.7kg-m
ギアボックス:7速オートマティック(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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