「ガソリン高すぎ!」 こりゃEV欲しくなるかも… 英国でリッター270円超、燃料価格が再上昇

公開 : 2024.02.23 06:25

英国で燃料価格が数か月ぶりに再上昇。ガソリンはリッターあたり平均143.4ペンス(約273円)、軽油は152ペンス(約289円)となった。値上げの原因はスエズ運河の船舶襲撃だけではない。

燃料代が高騰する英国 値上げの原因は

英国でガソリンと軽油の小売価格が再び上昇に転じている。過去3週間で、ガソリンはリッターあたり3.2ペンス上昇し143.4ペンス(約273円)に。一方、軽油は4ペンス上昇して152ペンス(約289円)となった。

燃料価格は多くの地域で上昇しているが、英国ではここ3か月で下降が見られ、ガソリン価格は2021年10月以来初めて140ペンス/Lを下回っていた。最近は1バレル80ドル以上での取引が続き、小売価格を圧迫している。

英国の燃料価格は数か月続いた下降から一転、再び上昇している。
英国の燃料価格は数か月続いた下降から一転、再び上昇している。

英国の王立自動車クラブ(RAC)によると、値上げの主な原因は原油価格の高騰に加え、紅海を航行する船舶がフーシ派武装勢力から攻撃され、迂回を余儀なくされている影響だという。しかし、理由はそれだけではない。

RACの広報担当者であるサイモン・ウィリアムズ氏は、「フーシ派の武装勢力による紅海での船舶襲撃で、タンカーがスエズ運河を避け、南アフリカの喜望峰を経由せざるを得なくなったことが値上がりの一因です。しかし、世界各地の製油所のメンテナンスによる閉鎖、米国のドライブシーズンの始まり、英国の小売業者が燃料税引き上げに備えて燃料を買い増ししていることなども影響しています」と語った。

また、小売店が大きなマージンを取っていることも指摘された。英国で最も価格が安く、市場の要ともされるスーパーマーケット併設の給油所でも値上がりが続いている。

「小売価格が現在より大幅に上昇することはないでしょうが、大手の小売業者がどれだけのマージンを取るかによって大きく変わります。スーパーマーケットの利益率は1月よりも低下していますが、それでもパンデミックやロシアのウクライナ侵攻以前よりはかなり高い」

北アイルランドとの価格差も

一方、北アイルランドはガソリン、軽油ともに英国内最安値を記録している。ガソリンは135.28ペンス(約257円)/L、軽油は144.2ペンス(約274円)/Lと、英国平均より5ペンス安い。

英国の4大スーパーマーケットの平均価格と比較しても、北アイルランドの方がなお安いのだ。

燃料価格の高騰は「生活費危機」の一端となっている。
燃料価格の高騰は「生活費危機」の一端となっている。

ウィリアムズ氏は、「今年の燃料はこれまでよりもずっと安くなっていますが、まったく同じガソリンや軽油がリッターあたり少なくとも5ペンス安い北アイルランドと比較すると、やはり悩ましい限りです。英国の2つの地域で価格がこれほど大きく異なるのは、競争が不適切であると言わざるを得ません」と語った。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    英国編集部ライター
  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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