屈託も忖度もナシ! 英編集部が7台を本音対談 2024年の欧州カー・オブ・ザ・イヤー候補たち(1)
公開 : 2024.03.02 09:45
コスパと走りに優れるセニック E-テック
MT:「プジョーE-3008は新しすぎて、今回の比較試乗には間に合いませんでした。パリ郊外のモルトフォンテーヌで開かれた、審査員全員に対するプレゼンテーションにも。フォトショップの力で、集合写真には加わっていますが」
MS:「短時間に、この6台を揃えたのは見事ですよ。では、ルノー・セニック E-テックとEV9の比較から始めましょう。デザインは結構似ているように思います。サイズは、セニック E-テックの方がだいぶ小さいですが」
「始めは、ボルボEX30のスタイリングが、ベストではないかと思っていました。でも、この2台にも独自の主張があります」
「価格面では、セニック E-テックが最も高評価となるでしょう。どちらも車内空間は広く、パッケージングに優れていますが、インテリアの機能で革新性を感じるのはこちらです。内装の素材や品質、仕上げには、少し惜しい部分もありますが」
「走りもイイ。乗り心地は滑らかで流れるよう。しかも、ソフトすぎない。操縦系は軽く正確。前輪駆動だと実感する場面もありますが、公道ではかなり速いですね」
「日産アリアとコンポーネントを共有しつつ、ルノーが施した動的な仕上げには感銘を受けました。アリアには、こんなに洗練された印象はありませんから」
「わたしが選ぶなら、エントリーグレードの小さなホイール。エスプリ・アルピーヌは、乗り心地が僅かに良くありません。電費効率にも影響がありそうです」
家族のように親しみやすいEV9
MT:「自分はセニック E-テックとE-3008で迷った結果、前者を欧州COTYの候補へ残しました。第一印象で、乗りやすいと感じたんです。シルバーストン周辺の一般道では、エスプリ・アルピーヌではないグレードの乗り心地も良かった」
「今回は、E-3008を直接比較できないのが残念。英国の一般道で試せず、気になる要素を確認できませんでした」
「EV9のドライビング体験には、良し悪しが入り交じります。ツインモーターの英国価格が8万ポンド(約1424万円)へ迫ることには、納得しにくい。でも、今回初めて運転したエントリーグレードなら、約6万5000ポンド(約1209万円)です」
「この価格なら、違和感を得にくい。内装素材やデザインの雰囲気が、その他のキアと同じだという事実にも、いい訳が不要になります。実用的で興味深い。本当にリラックスして乗れるSUVだと、理解できますね」
MS:「ほぼ同感ですね。シングルモーター版は、ツインモーター版よりエネルギー効率も若干優れるようです。車重が軽く、乗り心地も少し良い」
「パワー不足を心配しましたが、一般道では気になりませんでした。大きなファミリーSUVとして、シンプルで、家族のように親しみやすい。評価に値しますよ」
この続きは、2024年の欧州カー・オブ・ザ・イヤー候補たち(2)にて。