アルピナD4ビターボ
公開 : 2014.11.27 23:40 更新 : 2017.05.29 18:24
ミド-エンジンの熱々のイタリアン・スポーツカーではなく、ディーゼル車であることはお忘れなく。
途方もないパワーを叩き出す傍ら、14.2km/ℓという高燃費も約束する。一回の給油で航続できる距離は、なんと805kmに及ぶというのだから脱帽モノである。
日常的な運転でも、12.4km/ℓから12.7km/ℓをマークしたのだから、にわかに信じがたい事態ともいえる。おなじような運転をBMW M4でした場合、5km/ℓとは言わないにしても3.5km/ℓは確実に悪化することを考えればなおさらだ。
セオリーから判断すると、極悪非道の速さを誇るD3と同じくらいスムーズな乗り心地やシャープなハンドリングを兼ね備えているはずである。そしてほとんどの場合においてはまさにその通りなのだけれど、わずかながらの差を看取でき、それら全てを受け入れられるといったものではなかった。
まず乗り心地である。20インチのタイヤとホイールを組み合わせたことにより、われわれの長期テスト車であるD3ほど、柔らかく落ち着いた印象はない。標準の19インチより魅惑的なルックスであるのは間違いないが、洗練性は明らかに損なわれている。D3/D4といえば、真っ先にその上質さが語られるだけに、残念な結果としか言いようがない。
そして第二にドライビング・ポジション。スポーティであることは間違いないのだけど、D3のそれに比べるとやや不自然に感じた。
その一方で後部座席と荷室の余裕は、このクラスとしては十分なもの。同クラスでみてもなかなかの広さで、D3でなくD4を選んだことによって不利益を被ることもないと言っていい。