MRで業界を荒らし回った「伝説」ラリーカーが復活! ランチア037、四輪駆動で600馬力へ

公開 : 2024.02.27 06:25  更新 : 2024.02.28 11:40

1980年代に活躍したランチア037の最新レストモッド「エボ38」が初公開。もし市販車の開発が続いていたら、という想定で四輪駆動や電子制御サスペンションなど現代的な装備を盛り込んでいる。

4WDに電制サス 最新レストモッド

イタリアのモータースポーツ企業であるキメラ・アウトモビリは2月22日、ランチア037ストラダーレを大幅に近代化・アップデートした最新モデル「エボ38(Evo38)」を発表した。

オリジナルの037ストラダーレの開発・生産が続けられていたら「どうなっていたか」を具体化したもので、四輪駆動システムや電子制御サスペンションなど現代的な装備が採用されている。

キメラ・アウトモビリ「エボ38」
キメラ・アウトモビリ「エボ38」    キメラ・アウトモビリ

1980年代に開発されたランチア・ラリー037は後輪駆動方式を採用し、当時のグループBカテゴリー(後に廃止)で圧倒的な強さを誇った。エボ38は、現代的な四輪駆動システムによりハンドリングの精度を高めているが、ディファレンシャル設定を変更すれば後輪のみで走行することもできるという。

また、ステアリングホイールに配置されたボタンからショックアブソーバーのセッティングを調整し、地形や車速の急な変化に対応できる。

6速MTのレシオは短めに設定され、「サーキットよりもむしろ混雑した一般道」に適しているという。キメラ・アウトモビリは新しいシーケンシャル・トランスミッションの開発にも取り組んでいる。

ボディとシャシー全体にはカーボンファイバーやチタンなどの軽量素材を多用し、車両重量重を約1100kgに抑えた。

2.1L 4気筒ターボガソリンエンジンを搭載し、最高出力約600ps、最大トルク約59kg-mを発生する。ターボチャージャー、カム、スプリング、可変バルブタイミング機構は新設計となる。

キメラ・アウトモビリは、「レースのために考案され、公道に移されたクルマのコンセプトのさらなる究極の進化である。純粋で、アナログ的で、物理的で、機械的なクルマだ。創造的な才能、職人技術、そしてかけがえのない人間的な感性によって鍛え上げられた」と語っている。

エボ38は、その車名にちなんで38台のみの限定生産となる。年内に納車開始予定だ。

価格は未公表だが、2021年公開の先代モデル「エボ37」は約40万6000ポンド(約7700万円)と推定されており、新型エボ38は50万ポンド(約9500万円)近くになる可能性がある。

記事に関わった人々

  • フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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