フィアットが新「ゴツかわ」EV発表! 見た目だけじゃない魅力、2027年までに順次市販化へ
公開 : 2024.02.27 11:05
フィアットが5台の次世代EVコンセプトを同時発表。1980年代の「パンダ」に影響されたという機能性重視の無骨なデザインを採用。今年7月から2027年にかけて順次市場投入する予定だ。
5台のコンセプトモデル 7月より順次発表
イタリアの自動車メーカーであるフィアットは2月25日、次世代グローバル戦略EVのコンセプトモデルを5台公開した。いずれも小型車「パンダ」の新シリーズで、7月に最初のモデルが正式発表される予定だ。
5台のコンセプトモデルは形状や用途ごとに「シティカー」、「ピックアップ」、「ファストバック」、「SUV」、「キャンパー」と名付けられている。プラットフォームを共通化し、2027年までに順次市販化されるという。どのモデルが市場投入されるかは未発表。
第1弾として、シティカーが7月に正式発表される見込みだ。現行型のパンダより大型化し、レトロスタイルのクロスオーバー車となるようだ。
シティカーのデザインは1980年に登場した初代パンダからインスピレーションを得ており、四角いシルエット、力強さを感じさせるプロポーション、無骨なボディプロテクションなどを特徴とする。ピクセル状のヘッドライトも目を引く。
フィアットはシティカーについて、「高いドライビングポジションと堅牢なデザイン」により運転のしやすさと個性的なスタイルを実現し、「家族旅行に適した広さと多用途性を備えている」と述べた。
新型パンダ? サスティナブルな内装材採用
シティカーはグローバル展開を前提に、さまざまなパワートレインを設定する。詳細は不明だが、プラットフォームを共通化する兄弟車シトロエンC3と同様、ガソリン車、ハイブリッド車、EVが導入される見込みだ。
価格としては、シトロエンC3のEVモデルで2万ユーロ(約325万円)以下での発売が予想されていることから、パンダEVもこれに近いものとなるだろう。ガソリン車はさらに安価に設定されるはずだ。
インテリアデザインは、フィアットの本拠地トリノにある旧工場の「構造的な軽さ、空間の最適化、明るさ」に大きな影響を受けたという。特に、楕円形のステアリングホイールとダッシュボードは、有名な工場屋上のテストコースを参考にしたとされる。
サステイナビリティを重視し、内装材には竹や再生プラスチックなどが使用されている。こうした要素は市販車にも採り入れるという。
また、E使用後の充電ケーブルを自動的に巻き取る機能も市販車に導入される可能性がある。
トラックにSUV 逞しい「キャンピングカー仕様」も
無骨なデザイン要素はシティカー以外のコンセプトモデルにも共通している。
例えば「ピックアップ」コンセプトは、リアに荷台を備えたピックアップトラックで、「機能性に楽しさを加える」と説明されている。商用車というよりもアクティブな一般ユーザーをターゲットにしていることは明らかだ。
「ファストバック」コンセプトは、走る楽しさと持続可能性の両立を目指したスポーティなモデルだ。
「SUV」コンセプトは高級志向のSUVモデル。フィアットは、「家族の移動手段」として安全性、多用途性、デザインに重点を置いたと述べている。
「キャンパー」コンセプトは、オフロード車とミニバンの要素を融合させたユーティリティモデルだ。初代パンダの機能性へのオマージュで、「何でもできる究極のクルマ」と表現されている。
フィアットは7月のシティカーを皮切りに、2027年まで毎年1台のペースで新型車を発表していく予定だ。