BMW 520d SE サルーン
公開 : 2014.11.27 23:30 更新 : 2017.05.23 10:26
控えめな出力と車重を思えば、一抹の不安を感じるのも無理はないが、実際は、ギアボックスとエンジンの完成度のたかさゆえに非常に感動的な仕事をこともなげにしてくれる。
テスト車両には£985(18万円)のアダプティブ・ダンパーと17インチ・ホイールがオプションで装着されていたおかげで、乗り心地にも終始感心させれれっぱなしだった。コンフォート・モードに固定して走らせてみれば、空いた道や高速道路、混雑しがちな市街地を何の問題もなく、至極快適に走ってくれるのだ。この乗り味はクラス随一と言ってもまったく言い過ぎではない。ダイナミック・パッケージを選ぶ以上に価値ある選択だと言っていい。
パドルシフトをつけるには追加予算が必要になるが、必ず選択したほうがいいと断言する。ステアリングはクイックで正確、スロットル・レスポンスもシャープだと感じた。
ベスト・ハンドリングカーを選ぶとしたら、これより更に身のこなしが軽く、細かいコントロールが可能な3シリーズとなるのは事実だが、それでも520dは洗練性という観点では負けていない。520dならば、3シリーズよりも疲れを感じずに一日中運転をすることが可能だ。
またとても控えめなトリム・レベルではあるものの、安っぽさを感じることは全くない。衛星ナビゲーションやレザー装飾、クルーズ・コントロール、ブルートゥース、DABラジオは標準で装着されており、用いる素材やスイッチの押し心地なども高級感あるアウディA6のそれに遜色ないと感じた。