超個性派! 21世紀へ向けた新しいクルマ ルノー・アヴァンタイム UK版中古車ガイド(2)
公開 : 2024.03.16 17:46
購入時に気をつけたいポイント
スペアパーツ
生産数の少ないアヴァンタイムは、スペアパーツも希少。特にモデル固有のボディやインテリア関係の部品は、入手が難しい。
ボディとシャシー
アルミニウム製のボディフレームは、腐食に注意。部分的な再塗装で修正はできる。ルーフレールとドアミラーの付け根、ラジエターサポート、フロント・サブフレーム、サイドシルなどを観察する。前後のライト類の状態も、良く確認したい。
エンジン
2.0Lガソリンターボも3.0L自然吸気ガソリンも、当時のルノーでは広く登用されていたユニットで、整備は難しくない。補機ベルトとタイミングベルトの交換は、5年毎か11万5000km毎が英国では指定されている。
3.0LエンジンのMT用デュアルマスフライホイールは、交換部品が出てこない。エグゾースト系も純正部品は欠品しており、専門ショップへ特注する必要がある。
トランスミッションとサスペンション
ATの場合、ブレーキをリリースするとトランスミッションから振動が出る場合がある。MTでは、クラッチの状態を確かめる。
リアのハブベアリングは腐食しやすい。ハンドブレーキが強く効くかもチェックポイント。油圧ラインの部品は入手が困難。ホイールのセンターキャップも希少とのこと。
インテリア
ヒーター・マトリックスからクーラントが漏れ、フロアカーペットが汚れている場合がある。プラスティック製トリムは、表面が粘つきやすい。シートは摩耗しやすく、クッションも痛みやすい。グローブボックスやアームレストのヒンジは壊れがち。
サンルーフから雨水を流す排水溝は、詰まりがないか確かめる。パワーシートやシートヒーターのほか、車載機能が一式動作するかも要確認。
ルノー・アヴァンタイムのまとめ
価値を保つであろうクラシックカーとして、すべての基準を満たしている、ルノー・アヴァンタイム。残存する例はレストアを受けた例も多く、入手困難な部品を自作するオーナーも英国にはいる。
取引価格は高騰しておらず、走行距離が短い例でも3万ポンド(約567万円)を超えることはないようだ。お手頃な中古車も流通しているが、厄介な故障へ悩まないためにも、事前に状態を確かめたい。ただし、ある程度の不具合は避けられないだろう。
良いトコロ
まだ20年ほどしか経過していないが、クラシックカーとしての地位を確立しつつある。英国には、熱心なオーナーズクラブも存在する。実用的で運転は楽しい。
良くないトコロ
中古部品は枯渇傾向にある。電気系統は複雑。徐々に維持が難しくなっていくことは想像できる。
ルノー・アヴァンタイム(2001〜2003年/英国仕様)のスペック
英国価格:2万4050〜2万7050ポンド(新車時)
生産数:8557台
全長:4642mm
全幅:1834mm
全高:1627mm
最高速度:194-206km/h
0-97km/h加速:8.8〜11.4秒
燃費:7.8-14.2km/L
CO2排出量:−
車両重量:1641-1761kg
パワートレイン:直列4気筒1998cc・2188ccターボチャージャー DOHC/V型6気筒2946cc自然吸気 DOHC
使用燃料:ガソリン/軽油
最高出力:150ps/4000rpm-213ps/6000rpm
最大トルク:25.3kg-m/2000rpm-32.5kg-m/1750rpm
ギアボックス:6速マニュアル/5速オートマティック(前輪駆動)