「みなぎる」パワー! 長距離も余裕 ジャガーFタイプ 夜間や雨天の視界にヒトコト 長期テスト(2)
公開 : 2024.03.09 09:45
惜しいロードノイズとボディサイズ
この一連のコーナリングが、幸せな体験を生む。安定性の高さを1度理解すれば、気が向いたら、天気を問わず活発に運転しようと思える。
1つ惜しいのが、大きめの走行時のロードノイズ。V6エンジンを積んでいた、フェイスリフト前のFタイプより小さいことは間違いないのだが、まだ静かとはいえない。
Fタイプは、この仕様で進化を止め、生産終了を迎えた。R75以上の改善は期待できない。もっとも、長距離旅行を諦めさせるほど、うるさいわけでもないけれど。
ボディサイズにも気を使う。見慣れてしまうと、さほど大きくは感じられないが、物質的に縮むことはない。キャビンが低く抑えられているから、印象的なほどワイドに見える。グラマラスに膨らんだリア回りも、影響しているだろう。
ステアリングホイールを握っても、1923mmの全幅に圧倒されることはない。とはいえ、収縮色といえる暗めのバイオレッド塗装でも、11万1000ポンド(約2098万円)のジャガーは実際には大きい。
積算9188km 夜間や雨天時の視界にヒトコト
ジャガーFタイプは、夜間や雨天時の視界が悪い。スポーツカーならシートポジションはできるだけ低くしたいところだが、そうすると一層悪化する。
フロントガラス左右のピラーは付け根の部分が太く、頭を持ち上げて確認せざるを得ない。もう少し、この辺りのデザインへコストを割くべきだったのではないだろうか。
テストデータ
気に入っているトコロ
縦置きのV8エンジン:素早く反応し、非常に強力。クルマ好きなら、すぐに恋へ落ちるだろう。燃費も想像ほど悪くない。
気に入らないトコロ
ロードノイズ:ジャガーは、もう少し静かに改善できたかもしれない。ポルシェ・タイカンのオーナーが乗ったら、うるささに驚くと思う。
テスト車について
モデル名:ジャガーFタイプ R75 クーペ(英国仕様)
新車価格:10万3075ポンド(約1948万円)
テスト車の価格:11万1000ポンド(約2098万円)
テストの記録
燃費:9.9km/L
故障:なし
出費:なし