296 GTBとの比較はアンフェア! マクラーレン・アルトゥーラ 「バンッ、ドスッ」でセンサー破損 長期テスト(2)

公開 : 2024.03.10 09:45  更新 : 2024.06.19 13:56

深い水たまりでタイヤ内センサーを破損

その日も雨が降っていて、大きな水たまりが迫っていることへ気付いた。しかし、浅いくぼみにできた普通のものだと考え、避けることなくアルトゥーラを進めてしまった。

ところが実際は、アスファルトの剥がれた深い穴にできた水たまりだったのだ。後に確認すると、鋭いエッジで路面がえぐられていた。バンッという大きな音と同時に、ドスッという強い衝撃。すぐに、その結果を想像した。

マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)
マクラーレンアルトゥーラ(英国仕様)

当然タイヤはパンクし、アルミホイールまで曲がったのでは、と不安を感じつつドアを開く。しかし、この筆者の読みも違っていた。

驚いたことに、あれほどの音と振動でありながら、タイヤとホイールは見る限り無傷。そのかわり、タイヤ内の空気圧センサーが駄目になっていた。

アルトゥーラが履くピレリ・ウインターソットゼロというオールウェザー・タイヤは、同社がサイバータイヤと呼ぶ新アイテム。タイヤの温度と空気圧を車両へ送信するセンサーが、1本毎に内蔵されている。

不運なことに、今回は丁度センサー部分に強い衝撃が加わった様子。タイヤのゴム自体は無事のようでも、メーターパネルに表示される空気圧の警告表示を消すには、交換するしかないらしい。

ピレリのサーキット用タイヤは、マクラーレン・セナとの相性が良くはなかったと記憶している。しかし、今回組み替えてもらうのは迷わずウインターソットゼロ。これほど好印象なオールウェザー・タイヤは、今まで経験したことがない。

テストデータ

気に入っているトコロ

天候を問わないタイヤ:ピレリ・ウインターソットゼロは、乗り心地に優れ路面からの感触も良好。それでいて、冬場でも不安のない走りを提供してくれる。

気に入らないトコロ

EVモードの走行距離:駆動用バッテリーを使い切る前に、エンジンが始動する。充電量で走れる最大の距離より、実際は制限されている。

英国価格

マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)
マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)

モデル名:マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)
新車価格:18万9200ポンド(約3576万円)
テスト車の価格:22万1400ポンド(約4184万円)

テストの記録

燃費:10.2km/L
故障:クルーズコントロール用レバーの交換
出費:なし

記事に関わった人々

  • 執筆

    アンドリュー・フランケル

    Andrew Frankel

    英国編集部シニア・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

長期テスト マクラーレン・アルトゥーラの前後関係

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