2024年版 普段使いに最適? 「必要十分」な小型EV 8選 でも見た目も走りも大満足
公開 : 2024.03.24 18:05
2. フィアット500
長所:スタイルの良さ、優れた車載技術、高速走行が得意
短所:高すぎるドライビングポジション、ペダル位置の悪さ、実走行での航続距離
EVのフィアット500は、見た目こそガソリン車の500とよく似ているものの、中身はまったく新しいクルマである。2台を並べてみればよくわかるはずだ。
レトロでキュートなルックスはそのままに、現代的な乗用車として見事に仕上げている。当初からバッテリーEVとして新規開発されたため、車格にしてはかなり大きい42kWhバッテリーを搭載し、航続距離320kmを謳う。しかし、実走行では230km程度になる。
小型の24kWhバッテリーを搭載した安価な仕様もあるが、航続距離の短さを相殺できるほどの経済的メリットはないと思う。
最高出力118psのモーターを搭載し、A/Bセグメントの小型車としては驚くほど軽快で楽しい。ステアリングはかなり軽いが、グリップは十分にあり、ボディロールも少ない。ホームグラウンドは街中の一般道だが、高速道路にもうまく対応している。
インテリアもまた、従来の500から大きく進化している。かなりプラスチッキーなところは否めないが、見た目はかわいらしく、シートも快適。インフォテインメント・システムは応答性が高いて使いやすい。
ロールバック式キャンバスルーフを備えたコンバーチブル仕様もある。しかし、言うまでもないだろうが、背の高いドライバーには不向きであり、大人を後部座席に乗せようとは考えてはいけない。
欧州ではEV補助金が以前より減っており、例えば英国では3万ポンド(約570万円)前後で購入することになる。小さなクルマにしてはかなりの金額だが、ファッショナブルな魅力は変わらず、都会を離れても見事な走りを見せてくれる。
3. オペル・コルサ・エレクトリック
長所:十分な航続距離、洗練性が高い
短所:運転があまり楽しくない、狭い後部座席、不完全なドライビングポジション
オペル/ヴォグゾール・コルサeは、スタイルやインテリアの質感において兄弟車プジョーe-208には及ばない。しかし、基本的には同じなので、小型EVとしては素晴らしい1台である。
登場した頃の初期型は航続距離で少し遅れをとっていたが、ヒートポンプを標準装備するといった改良が重ねられ、大容量バッテリーと新しい電気モーターを導入した最新モデルでは、航続距離が最長395kmへと伸びている。
改良ではフロントエンドのデザインが刷新されたほか、新しいマルチメディアシステムが搭載された。ただ残念なことに、価格も3万5000ポンド(約660万円)以上へと大幅に上昇している。
実走行での航続距離は350km前後と、普段使いには十分だ。100kWのDC急速充電に対応し、シャープなハンドリングと快適な乗り心地を両立している点も大きなセールスポイントとなる。