2024年版 普段使いに最適? 「必要十分」な小型EV 8選 でも見た目も走りも大満足
公開 : 2024.03.24 18:05
6. BYDドルフィン
長所:航続距離、コストパフォーマンス、装備の充実度
短所:ステアリングフィールが曖昧、車載システムの使い勝手が悪い
コストパフォーマンスの高いEVを求めるなら、中国の自動車メーカーに注目するのも悪くない。今や世界最大のEV・PHEVメーカーとなったBYDは、中国国内だけでなく日本や欧州市場でも積極的にEVを展開している。その中で、現時点でもっとも小さいEVがドルフィンだ。
最高のクルマではないが、エントリーモデルの価格が2万5490ポンド(約480万円)、フル装備のロングレンジ仕様が3万990ポンド(約590万円)であることを考えれば、その欠点のいくつかは言い訳ができるだろう。
ステアリングフィールはかなり曖昧で、まるでウールが挟まっているかのようにダイレクト感がない。レザーシートも少しナンセンスだ。最大の問題は、インフォテインメント・システムの使いづらさ。画面は巨大だが、使用頻度の高い重要な機能がサブメニューの奥深くに埋もれているし、スマートフォンとのミラーリングもうまくいかない。
しかし、望みうる装備はすべて備わっており、乗り心地はかなり快適で、航続距離も300kmを余裕で超える。また、今回紹介する中では比較的大きいので、室内空間も広い。
7. ホンダe
長所:目を引くスタイリング、軽快なパフォーマンス、洗練された乗り心地とハンドリング
短所:航続距離の短さ、高価、トランクの小ささ
ホンダeはデビュー当時、EVとしては異例のコンパクトなボディに、レトロなデザインを採り入れるなど、革新的なアプローチで注目を集めた。モーターをリアに搭載してパッケージングを良くしたほか、四輪独立サスペンションによって乗り心地とハンドリングのポテンシャルを中型車並みに高めている。
欧州では最高出力136psまたは154psの2種類の仕様があるが、いずれも航続距離は物足りない。35.5kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は220km(16インチホイール装着時)とされている。弊誌の試乗では、17インチホイール装着車で160km以上走るのに苦労した。
走りは落ち着いていて運転しやすい。小回りの良さ、そして控えめながら反応の良いハンドリングを持っている。ワクワクさせるような走りではなく、ボディコントロールにもやや不満が残るものの、都市型EVとしては快適そのもの。スタイリングも非常に愛嬌がある。ワンペダルドライブ機能も、一度慣れてしまえば、運転が楽しくなるし、エネルギー効率を向上させることができる。
残念なことに、ホンダeは今年1月をもって生産終了となってしまった。あとは在庫分のみの販売で、後継車の計画も聞こえてこない。