ポルシェ・パナメーラGTS
公開 : 2014.11.28 23:30 更新 : 2017.05.29 19:04
そしてこの傾向は、ガスペダルを踏めば踏むほど強くなる。勢い良く走りだせば快音があたりに響き、その際のトラクションは傑出したレベル。そこからブレーキをドンと踏み込めば、強烈な制動力とともにピタリと止まる。
操舵フィールの良さが、その他の大型サルーンよりも秀でている点にも好感がもてる。むやみに大きさを隠そうとしたセッティングではないところが、功を奏しているのだろう。ただし、ぶかぶかと持て余すような印象はなく、反応は極めてタイトだ。
そうであるだけに、もう少しスロットル開度だけで向きを変えられたり、乗り心地に一貫性があればいいのに、と贅沢な考えに至ってしまうのも事実。スポーツ・グレードを謳っているにもかかわらず、エア・スプリングがやや柔らかすぎると感じるのだ。
しかし裏を返せば、高速直進時の落ち着きは見事であるともいうことができる。速い速度で数時間走ったあとには、’パナメーラの本来の土俵はこういうところなのだな’ と納得することができた。
シートとそのポジションはこのうえなく素晴らしい。インテリアはほんの僅かに落ち着きに欠けるところも見られたが、それでも満足に足る環境であることは間違いない。しかしアウディのMMIやBMWのiDriveに比べるとポルシェのタッチスクリーン・システムはわずかにぎこちなく感じられたのは惜しい。