スパイダーでPHEVのスーパーカー マクラーレン新時代 アルトゥーラMY25発表でオープンモデル追加

公開 : 2024.03.05 07:05

新たなダイナミクスとタイヤ

MY25アルトゥーラでは、新たなパワートレイン・マウントが開発され、ダイナミクス特性に明らかなメリットをもたらした。

新マウントは、パワートレインのシャシー内制御を向上するように調整されており、とくに荷重がかかった際にパワートレインの動きが制限されるため、安定性やステアリング・フィール、車両全体のアジリティが向上し、いっそう精密でドライバーが強い一体感を味わえる走りを実現するという。

マクラーレン MY25アルトゥーラ/アルトゥーラ・スパイダー
マクラーレン MY25アルトゥーラ/アルトゥーラ・スパイダー

こうしたダイナミクス上のメリットに加えて、新マウントによって剛性も高まり、結果ドライバーは、自身が経験している全体的な一体感にパワートレインが重要な役割を果たしていることをより強く実感でき、一貫してドラマチックな感動が上乗せされると述べた。

アルトゥーラのリア・サスペンションは、上部のアッパー・ウィッシュボーンと、2本のロワーリンク、ホイールセンター前方のタイロッドが組み合わされている。これによって車両安定性と正確性が最大化され、アンダーステアが低減された。

このリア・サスペンションと組み合わされているのが、オフィシャル・インテリジェント・サスペンション・パートナーのモンローが提供する、専用バージョンのマクラーレン・プロアクティブ・ダンピング・コントロールシステムで、これも比類ない乗り心地とハンドリング特性を支えている。

新型MY25アルトゥーラでは、乗り心地とハンドリングが見直され、ダンパーバルブの改良によって応答性が高まった。イーサネット・アーキテクチャーのドメイン・コントロール・ユニット(DCU)の性能も強化された。これにより減衰とハンドリングの反応をサポートし、その速度が最大で90%高まったため、ドライバー・インプットや路面変化へのレスポンスが向上している。

ハンドリング・モードは3種類あり、作動させるとダンパー調整によってボディ制御のレベルが高まる。「コンフォート」はデフォルトのモードで「スポーツ」と「トラック」はサポートが強まるセッティングである。各モードは、インストゥルメント・ビナクル上部にある2個のロッカースイッチのひとつで選択が可能となる。

エレクトロニック・スタビリティコントロール(ESC)の介入の程度も調整可能で、ドライバーの好みや天候、路面コンディションに合わせられる。操作はハンドリング・モード・コントロールにあるボタンで行い、選択可能なセッティングをすべてオンにするか、ESC DYNで自由な範囲を広げ、バリアブル・ドリフト・コントロールを選択可能にするか、オフにして電子制御の介入を排除するかを選ぶことができる。

もうひとつ、ダイナミクスの正確性を強化しているのがピレリのサイバータイヤテクノロジーだという。サイバータイヤは、アルトゥーラの電子制御システムと統合されたハードウェアとソフトウェアで構成される。

各タイヤ内部の電子センサーがリアルタイムでデータを生成するため、タイヤの空気圧のリミットをドライバーが調整でき、装着したタイヤのポテンシャルをフルに引き出すことができ、またタイヤウォール内部のノイズ吸収材が振動とノイズを低減するピレリ・ノイズキャンセリングシステム(PNCS)も装備する。

標準仕様で装着するPゼロタイヤは、左右非対称のトレッドパターンを備え、これがブレーキングを向上させるほか、とくにウェットでのパフォーマンスを重点に、幅広い路面コンディションでハンドリングと制御性を強化する。

オプションのPゼロ・コルサは、公道とサーキットの両方で使用できる設計であり、レースタイプのコンパウンドとユニークなトレッドパターンによって、より高いグリップレベルを誇り、ブレーキングとトラクションも向上する。更にはPゼロ・ウィンタータイヤも選択可能だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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