お高めの値段にナルホド! メルセデス・ベンツVクラス V 250dへ試乗 洗練の4気筒ディーゼル

公開 : 2024.03.07 19:05

英国では8シーターも選べるミニバン、メルセデス・ベンツVクラス 充実装備でラグジュアリーなインテリア 驚くほど洗練された4気筒ディーゼル 英国編集部が評価

先代ビアノがベースの3代目Vクラス

現行メルセデス・ベンツVクラスは、少々古い同社の先代ビアノ(2代目Vクラス)をベースにしている。とはいえ徹底的な改良が加えられ、ダッシュボードには大型モニター付きのインフォテインメント・システムも備わる。

フロントグリルの中央には、大きなスリーポインテッド・スター。その両脇に2本のブレードが伸び、凛々しい表情を作っている。

メルセデス・ベンツVクラス V 250d(英国仕様)
メルセデス・ベンツVクラス V 250d(英国仕様)

英国仕様に載るエンジンは、2.1L 4気筒ターボディーゼル1択。先代譲りのユニットだが、パワーアップされており、V 220dの最高出力は162ps、最大トルクは38.6kg-mがうたわれる。試乗したV 250dでは、189psと44.7kg-mへ引き上げられる。

CO2の排出量と平均燃費は、V 220dで163g/kmと17.6km/L。V 250dでは、動力性能と引き換えに、166g/kmと15.9km/Lへ悪化する。

3代目Vクラスには通常ボディのほか、全長が245mm長くなるロングと、475mm長くなるエクストラロングという、3タイプが用意されている。シートレイアウトは、試乗車は2:2:3の7シーターだったが、後者は8シーターへ増える。

また2017年には、キャンピングカー仕様のマルコポーロも投入された。フォルクスワーゲン・カリフォルニアの上級なライバルとして、多様なライフスタイルへ応えている。

充実装備でラグジュアリーなインテリア

英国仕様のトリムグレードは、スポーツとAMGラインの2段階。前者にはカーナビやパーキングセンサーの他、バックカメラとパワーテールゲート、LEDヘッドライト、17インチ・ホイールなどが組まれる。

AMGラインがフラッグシップで、アルミホイールは19インチへ拡大。内装トリムにカーボンファイバーが用いられ、スポーティなボディキットで見た目が飾られる。

メルセデス・ベンツVクラス V 250d(英国仕様)
メルセデス・ベンツVクラス V 250d(英国仕様)

マルコポーロにも、同様のトリムグレードが設定される。スポーツでは、ソファーベッドに3ゾーンエアコン、ポップアップルーフ、ヨットウッド・フローリング、回転式フロントシートなどが与えられる。冷蔵庫やガスコンロが付く、簡易キッチンも装備する。

AMGラインになると、クロームメッキ・トリムが増え、スポーツサスペンションで足元が引き締まる。キャンピングカーでも。

インテリアの質感は、明らかにラグジュアリー。スイッチ類はソリッドで、高級感のあるインフォテインメント用スクローラーは、Sクラス譲りとのこと。だが、内装パネルの一部は指で強めに押すときしみ、走行時にはカタカタと振動音を伴う部分もあった。

ドライビングポジションは高めで、フロントピラーが若干太い印象だが、前方の視認性は優秀。後方視界は、ずらりと並ぶシートの影響で良くはないものの、センサーとカメラがバックを助けてくれる。

スポーツ・グレードの場合、インフォテインメント用タッチモニターは7.0インチ。グラフィックは見やすく、3層構造のメニューはわかりやすい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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