「480万以下」でV8スポーツに乗りたい! コルベットにサンダーバード 英編集部が選ぶ旧車10台(1)

公開 : 2024.03.23 17:45

アストン マーティンにマセラティ、MGBまで多様なモデルに載る「V8」 現実的な予算で我が物になるクラシックを、英国編集部がピックアップ お好みはどれ?

V8エンジンを積んだお手頃なクラシック

V型8気筒は、高性能モデルを象徴するエンジンだといえる。比較的小さな体積で、豊潤なパフォーマンスと、全身へ響くスリリングさを叶えてくれるから。

オープンカーなら、その幸福感は一層高まる。ソフトトップを開け放ち、特有の重厚なサウンドに包まれながら、早朝の郊外を駆け回る喜び。クルマ好きなら、共感できる体験ではないかと思う。

シボレー・コルベット C3型(1968〜1982年)
シボレーコルベット C3型(1968〜1982年)

確かに、V8エンジンを積んだモデルは、往々にして安くない。しかし、少し年代を遡り、視野を広げてみれば、お手頃な選択肢が少なくないことに気付けるだろう。

先日掲載した、MG RV8とTVRグリフィス、マーコス・マントラによる比較試乗をお読みいただいた方もいらっしゃると思う。今回はそれ以外の、2万5000ポンド(約472万円)以下で狙えるクラシックたちを、10台ほどご紹介してみたい。

シボレー・コルベット C3〜C6型(1968〜2013年)

V8エンジンを積んだ、お手頃なスポーツカーの筆頭といえるのが、シボレー・コルベット。その人気と生産数が故に、初期のC1・C2型、ミドシップの最新版、C8型を除いて、2万5000ポンド(約472万円)を用意すれば多くの例が候補になる。

筆者が記事をまとめている時点でも、C3型からC6型まで、迷うほどの選択肢が英国で売られていた。4カム32バルブのC4 ZR-1に、C5のZ06、7.0L V8を積んだC6 Z06も。

シボレー・コルベット C3型(1968〜1982年)
シボレー・コルベット C3型(1968〜1982年)

世代を問わず、コルベットのドライブトレインは比較的シンプルで、メンテナンスが難しくない。堅牢なシャシーの上に、軽量なグラスファイバー製ボディが載っているという点も共通している。実際の維持費も、想像ほどかからないだろう。

クーペだけでなく、カブリオレが選べるのも魅力。クーペでも、Tトップと呼ばれる取外し可能なタルガトップで、大空を楽しめる例が多いのも特長だ。

TVR 350i/390SE/400SE/450SE(1983〜1991年)

V8エンジンを積んだ、お買い得な英国製スポーツカーをお探しなら、真っ先に目を向けるべきはTVR。この記事をまとめている時点で、2万5000ポンド(約472万円)以下で売られているクラシックなTVRが、65台もグレートブリテン島には存在していた。

2代目グリフィスも素晴らしいモデルだが、もっと低予算で楽しみたい場合は、キミーラとV8 Sが望ましいチョイスになる。有機的なスタイリングのボディと、V8エンジンのパワフルさが、見事に共存している。

TVR 350i(1983〜1989年/英国仕様)
TVR 350i(1983〜1989年/英国仕様)

スタイリングの美しさでは、グリフィスより多少劣るかもしれない。そのぶん、英国では低めの価格で取引されているようだ。

しかし、本当のバーゲンといえるのが、ウェッジシェイプのタスミン・シリーズ。V8としてはコンパクトな3.5Lユニットが、有能なハンドリング・シャシーへ載っている。

その頂点に君臨するのは、カブリオレの450 SEACと420 SEAC。最高出力は、4.4Lの前者で329ps、4.2Lの後者で304psを発揮する。その穏やかな仕様、192psの350iなら5000ポンド(約95万円)前後から探せる。

スチール製シャシーは錆びやすく、グラスファイバー製ボディは割れやすい。丁寧な状態確認は必須といえるが、英国では修理部品の入手はさほど難しくない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 撮影

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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