BMW 3シリーズ e-Drive
公開 : 2014.11.30 23:40 更新 : 2017.05.23 10:26
■どんなクルマ?
BMW 3シリーズ・プラグイン・ハイブリッド。このクルマが2015年の9月にデビューすれば、これまでの燃料消費率の概念を覆すことになる、とBMWは言う。
パリ・モーターショーでデビューし、既に製品化が決まっているX5 eDriveにつづく、レギューラー・モデルのプラグ-イン版だ。
アクティブハイブリッド3の後継車というのが間接的な立ち位置。ただしX5 eDriveとは異なり、後輪駆動のみにパワーを供給する。
■どんな感じ?
車体前方におさまるのはターボ加給が施される2.0ℓ 4気筒ガソリン・ユニット。最高出力は180psを、最大トルクは32.6kg-mを発生するようにチューニングされている。
これをサポートするのが電気モーターの役どころ。先述の出力に95psと25.4kg-mを加勢する。
これらをひと纏めにするのが、BMW専用のZFオートマティック・ギアボックスで、燃料消費率を高めるようモディファイされているのだそうだ。
電気モーターのエネルギーは、トランクルームの高い位置に置いたリチウムイオン・バッテリーから引き出すため、もともと480ℓあった荷室容量はわずかに小さくなっている。
46.4km/ℓの燃費と50g/kmのCO2排出量は、他の最新プラグ-イン・ハイブリッド同様、現実的な値と完全に一致するものではないが参考にはなるはずだ。
ハイブリッド・システムを動かすモードは合計で5つ。そのうちの2つは、マックスeドライブとセーブ・バッテリーとよばれるeドライブのモデルならではのもの。
eドライブ・モード時には、ガソリン・ユニットを一切オンにしない、完全なる電気走行に徹する。公表されるバッテリーのみの航続可能距離は、やや残念な35.4km。このモードにおける最高速度は約120km/hに制限されている。
システム全般のオペレーションの完成度は高いものの、ドライブトレインの洗練性はあと一歩というのが乗った際の印象。最終版の販売まではあと数年残されているが、早期の修正を願わずにはいられない。
他の最新プラグ-インと異なり、eドライブならではのコクピット・ドリルは何もない。普通に乗り込み、ベルトをカチリと押し込み、ブレーキ・ペダルを踏んで、エンジンを掛ける。いつものそれである。
唯一の違いを上げるとすれば、パネルがバッテリーの残量を表示することくらいのもの。ドライブにいれれば、音もなくスルスルと走り始める。
充電が終わっていたため最初の数kmをeドライブ・モードで走らせれば、驚くほどスムーズかつ、適切なパワーをもたらしてくれることがわかる。また敏捷性は特筆レベルで、市街地の制限速度域まではいとも簡単に加速してゆく。炸裂感を伴うとまではいかないが、エンジンが始動すれば動力源を2つもつことを明確に感じられる加速が得られる。