マスクCEOが激怒「極めて愚か」 テスラ工場、稼働停止 過激派団体の “放火” 原因か
公開 : 2024.03.06 18:25 更新 : 2024.03.06 18:46
テスラのドイツ工場が稼働を停止した。環境保護団体を名乗るグループが近隣の送電設備に放火し、停電に見舞われた。マスクCEOは「極めて愚か」と非難。同工場ではEVとバッテリーセルを生産していた。
環境保護を名乗る団体が放火 従業員にけがはなし
テスラは、ドイツ・ベルリンにあるEV生産工場の稼働を一時的に停止した。近隣の送電鉄塔で発生した火災の影響だ。
出火原因は放火と見られ、ヴォルケーノ・グループ(Volcano Group)と名乗る団体が犯行声明を発表している。
同団体は声明の中で、テスラは「地球、資源、人々、労働者を消費し、その見返りに毎週6000台のSUV、殺人車、モンスタートラックを排出している」と批判し、イーロン・マスクCEOを「テクノ・ファシスト」と呼んだ。
この声明には、大西洋のアゾレス諸島にある火山の名称、アグア・デ・ポー(Agua De Pau)という署名があり、放火は今年の国際女性デー(3月8日)を記念した「贈り物」であると書かれていた。
イーロン・マスクCEOはこの事件を受け、X(旧:Twitter)に次のように投稿した。
「彼らは地球上で最も愚かなエコ・テロリストか、環境保護目標を持たない人々の操り人形だ。化石燃料車ではなく、電気自動車の生産を停止するのは、極めて愚かなことだ」
ドイツの通信社DPAによると、現地当局はこの火災を意図的なものだと見て調査を進めているという。ブランデンブルク州のミヒャエル・シュテュブゲン内相は、「最初の調査結果が確認されれば、我々の電力インフラに対する卑劣な攻撃となるだろう」と述べた。
テスラの工場には燃え移らなかったが、高圧送電線が熱で損傷したため、工場と周辺の町は停電となった。
ヴォルケーノ・グループは声明の中で、送電鉄塔への攻撃内容を具体的に説明している。
「鉄骨構造を弱め、鉄塔を不安定にするために、たくさんのタイヤで大きく高く火を起こした……これは座屈やねじれ、たわみにつながる。それが我々の目的だった」
工場の全従業員1万2500人が避難・帰宅したものの、施設はすでに「安全な状態」にあるという。
この工場は欧州初のギガファクトリーとして2022年3月に開所し、モデルYとEV用バッテリーセルを生産してきた。
テスラは最近、施設を拡張し、貨物倉庫や従業員の子供のための幼稚園などを作る計画を発表した。しかし、地域の水供給と250エーカー近い森林の伐採に対する懸念から、抗議者たちがテントやツリーハウスを建てるという「ストップ・テスラ」キャンペーンによって、拡張計画は阻止された。