テスラ・モデル3 詳細データテスト 静粛性と質感は向上 やはり硬めの乗り心地 使い勝手はやや後退
公開 : 2024.03.16 20:25 更新 : 2024.03.26 20:35
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
プロジェクト・ハイランドと銘打たれたマイナーチェンジで、外側へ回り込んでいたヘッドライトは姿を消し、切長の、ややもすれば普通のデザインになった。デポジットは受け付けているが、まだ納車されていない新型ロードスターにも似た形状だ。
バンパーも新形状で、補助灯やインテークを省いた。そのほかエクステリアでは、テールライトの形状が変わり、ガラスハウスが拡大されている。
2017年の登場時、われわれは全高の特異さを指摘したが、現在、ライバルと比べればBMW i4と同程度で、ヒョンデ・アイオニック6より低い。また、それらより全長は短く、ホイールベースは2台の中間だ。
2017年には、全数がカリフォルニアのフリーモント工場で生産されていたモデル3だが、現在は一部が上海でも製造されている。構造はほぼそのままで、スティールボディにフロントがダブルウィッシュボーン、リアが5リンクのパッシブサスペンションを搭載。ホイールベース内には、短い筒状セルで構成されたスリムなバッテリーパックが積まれる。
登場時のセルは1865と呼ばれる直径18mm・高さ65mmのニッケル・コバルト・アルミニウムバッテリーで、これはモデルSとも共通だった。現在はそれと異なるニッケル・コバルト・アルミニウムやニッケル・マンガン・コバルト、リチウム・リン酸塩鉄などが使われている。
マイナーチェンジモデルのうち、右ハンドルのエントリーグレードはリチウム・リン酸塩鉄で、実用容量は57.5kWh。今回テストする4WDのロングレンジは、75.0kWhのニッケル・マンガン・コバルトだ。急速充電は、RWDが最大170kWだが、キャパシティ制限はない。ロングレンジは250kWだが、90%までの充電が推奨されている。
RWDのモーターは244psの永久磁石同期式を採用する。4WDは、フロントに非同期モーターを採用して惰性走行も可能にした。最高出力は、498psに達すると見られる。