テスラ・モデル3 詳細データテスト 静粛性と質感は向上 やはり硬めの乗り心地 使い勝手はやや後退
公開 : 2024.03.16 20:25 更新 : 2024.03.26 20:35
走り ★★★★★★★★★☆
モデル3ロングレンジほどイージーにパフォーマンスを発揮できるクルマはめったにないし、おもちゃのような見た目ながら強烈な性能を秘めている。テスト車の0−97km/h加速は4.4秒で、2022年にテストした7万2000ポンド(約1361万円)以上するBMW i4 M50のコンマ3秒遅れに過ぎない。
4万9900ポンド(約943万円)のテスラは、直線加速性能で見ればバーゲン価格だ。追い越し加速については64−97km/hが1.7秒で、やや濡れた路面で計測したi4 M50の2.3秒を凌ぐ結果となった。
改良版モデル3は、たとえスロットルペダルを床まで踏み込んでも、ホイールスピンしたりパニックのようにトラクションコントロールが介入したりしながら突進していくことはない。加速はスムースで、トラクションはおおむねみごとだ。コーナーを加速しながら脱出するのも直観的で、前後モーターは1846kgの車体を悠々と走らせる。BMWの2284kgに比べて軽々といった感触だ。
ブレーキは、また話が異なってくる。停止距離は特別なものではないが、曖昧なペダルフィールが問題となり、この速いクルマに見合った自信を得るをことができない。おそらくこれは、4WDモデル特有の欠点だ。後輪駆動モデルのペダルフィールはもっといい。
明らかに欠けているのは、精巧な回生ブレーキの制御切り替えだ。それを備えるほかのEVでは、飛ばしたときにはクルマとの一体感があり、穏やかに走ればエネルギー効率を高めることができる。モデル3もそうあるべきだ。とはいえ、唯一のワンペダルモードはうまく調整されていて、ほぼ摩擦ブレーキを使わずに走り切ることができる。