アプリを使って車内でカラオケ? BYDオートジャパンの2024年戦略と仕様変更されたBYDアット3
公開 : 2024.03.12 19:35
BYDオートジャパン目下の販売台数と状況
続いて登壇した東福寺代表取締役は、BYDの本邦導入を発表してから1年、ディーラー網の拡充に注力してきたと述べる。
当初は20数店舗からスタートして、現在では全国51カ所で実際に来て見て触って、見込み客が試乗ができる体制になっている。正規ショールームとして恒常的に車両展示を行う店舗も増え続けており、3月前半には岐阜と練馬に新しいショールームがオープン。
じつに22店舗の体制となった。販売ネットワークの拡大と同時に、アット3にドルフィン、それぞれロングレンジも揃えることで、ユーザーの選択幅を広げたことも奏功したと氏は分析する。
店舗数と販売台数がまだまだ比例関係にあるような、ゼロからのスタートだったことを考えれば、昨年を通じて1446台、今年2月までに2000台を超えたという累計販売台数は、初年度としてはまずまずと東福寺代表取締役は見ている。
とはいえ、3000台を超えないと街で見かけるようになった、という感覚にはならないとも強調する。9月に発表したドルフィンは型式認証の取得が遅れ、当初の販売目標だった1100台に届いていないこと、現況ではPHP認証(1型式あたり年間5000台以下のみ認められる簡易な適合性確認審査)になっていることを認めつつ、ボトルネックや課題は少なくない。
いずれ販売面ではまだまだ道半ばとの感覚ながら、年央にはセダンである「シール」の導入も控え、手応えはつかんでいるようだ。
アット3の仕様変更
この日、3番手で登壇したマーケティング部長の遠藤は、より具体的にアット3の仕様変更について解説した。
新しくなった点は、センターディスプレイが従来より+3インチ、15.6インチ化されたこと、そしてカラオケアプリを通じてカラオケ音源を車内で再生し、別売りのマイクを繋げて楽しむことができるという。
また新色として外装にコスモスブラックを、内装にブラック×ダークブルーを追加した他、OTAによるソフトウェアアップデートも近日中、既存モデルを含めて実施される。
今回のアット3の仕様変更を機に、氏はコミュニケーションや体験機会のアップデートをも実施する。
「自分らしさ大切に、人生を走りやすくする」をメッセージに2種類のコマーシャル動画を展開させ、さらに潜在的なユーザー層とのリアルタッチ・ポイントを設けるため、全国30カ所以上で「触れれば分かるEVの疑問」と題した実車展示キャラバンを行うという。
まるでアメリカの大統領選挙のキャンペーンのように、全国各地でBYDのもつ雰囲気やEVとして可能ならしめることを、身近に感じられる機会を供給していくということだ。