2024年版 運転の楽しさを教えてくれるスポーツカー 10選 長所・短所とおすすめポイント

公開 : 2024.03.31 18:05

2. ポルシェ718ボクスター/718ケイマン

おすすめ:ハンドリングの繊細さ
長所:洗練されたダイナミクス、快適性の高さ
短所:比較的高価であること

2025年にバッテリーEVの新型車が導入されようとしているが、依然としてポルシェ718は市販ミドエンジン搭載スポーツカーの中で最も完成度の高いモデルである。小排気量の4気筒ターボガソリンエンジンを搭載するが、最上位のGTSにはフラット6を採用した。しかし、4気筒であれ6気筒であれ、優れたスポーツカーであることに疑いの余地はない。

2. ポルシェ718ボクスター/718ケイマン(画像は後者)
2. ポルシェ718ボクスター/718ケイマン(画像は後者)

2016年に導入された2.0Lおよび2.5Lのフラット4ターボは、残念ながら、サウンド、なめらかさ、レスポンスの鮮明さ、リニア感、動作範囲の狭さ、そしてポルシェらしいドライビングの魅力に欠けるとの指摘を集めた。その後、ポルシェは欧州排ガス規制に対応するためにエンジンをチューニングし、ボクスターTとケイマンTを追加したが、これもまた物議を醸した。

しかし、2019年に予想外の展開が見られた。自然吸気のフラット6が上位モデルのGTS、GT4、スパイダーに導入されたのだ。992型911の3.0Lユニットをベースに、ターボを外して排気量を4.0Lに拡大。ロングギアのマニュアル・トランスミッションはお世辞にも良いとは言えないが、2ペダルのPDKならおすすめできる。

ボクスターもケイマンも実用的でありながら、常に魅力的な走りを見せ、4気筒でも十分に速い。すべてを備えた718に打ち勝つには、一世一代の素晴らしいダイナミクスを持つクルマが必要だ。

3. アリエル・アトム4

おすすめ:スリル満点
長所:猛烈な速さ、流れるような走り
短所:実用的ではない

5万ポンド(約940万円)の予算を、自分自身を楽しませるためだけに使える人であれば、アリエル・アトム4を見過ごすことなんて出来ないはずだ。バイクとクルマの要素を併せ持つ乗り物であり、むき出しのチューブでできた珍しい品物でもある。

3. アリエル・アトム4
3. アリエル・アトム4

もちろん、実用に耐えるクルマではないことは明らかだ。しかし、ドライバーに高い能力を要求する一方で、一体感が強く、非常に個性的だ。英国人も大好きなライトウェイト・スポーツカーであるアトム4は、本質をついたクルマだ。フロントガラスはオプション装備で、未装着の場合は乗車時にヘルメット着用が必須となる。

最大の魅力は、圧倒的なスピードとスリルだ。ホンダ製の4気筒ターボエンジンから発生する355psのパワーで600kg弱のボディを動かす。心を揺さぶるのは加速性能だけではない。シャシー設定を調整しやすく、バンピーな一般道でも快適に走らせることができる。サーキットで暴れまわるだけの「脳筋」ではないということだ。

サーキットでアトム4に乗り、その性能を余すところなく引き出すことは、2024年のスポーツカーでは希少な体験だ。サーキットを出てからベルトを緩め、ダンパーの緊張を解き、ゆっくりと揺れながら帰路に着くと、他の四輪車では味わえないような、生きている実感を得ることができる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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