2024年版 運転の楽しさを教えてくれるスポーツカー 10選 長所・短所とおすすめポイント
公開 : 2024.03.31 18:05
4. トヨタGR86
おすすめ:手頃な価格設定
長所:お値段以上のハイパフォーマンス
短所:欧州では新車が手に入りにくい
完成度の高いGT86(日本名:86)を超えるクルマを作るにはどうすればいいだろう? 通常、後継車を開発するとき、パワーとグリップを少し追加し、内外装をリフレッシュするだけで、大抵は十分だ。
しかし、GR86にはそれ以上のものが備わっている。まず、シャシーとシェルをしっかり鍛え上げた上で、排気量2.5L、最高出力234psに強化された水平対向4気筒エンジンを搭載。サスペンションとステアリングにも細かい変更を加え、タイヤはミシュラン・プライマシーHPまたはパイロット・スポーツ4を履く。
従来のGT86に比べると、一般道ではやや扱いにくさがあるものの、美しくバランスの取れた後輪駆動のハンドリング・ダイナミクスは、サーキットではどんな速度でも活用できる。ただ、エンジンのパワーアップによって少し速くなったが、それほど大きな違いはない。
外観は以前よりスマートになり、インテリアも実用性を犠牲にすることなく、上品に仕上がった。何より、手頃な価格設定も魅力的である。
しかし、欧州では新しい安全規制により販売台数が限られており、手に入れるのが難しい。2025年以降に規制対応の新型が登場するという話もあるが、現時点では詳細不明だ。
5. マツダMX-5
おすすめ:コンバーチブル愛好家
長所:バランスの取れたハンドリング
短所:それほど速くはない
第4世代のマツダMX-5(日本名:ロードスター)は、あらゆる面で先代モデルを超えている。コンパクトで軽いボディ、優れたインテリアデザイン、威圧感のないシャープな外観。また、より速く、より質素で、生き生きとした魅力的な走りを見せてくれる。
発売以降、細かい改良が何度も行われており、エンジンの出力向上、ドライバーの運転姿勢の改善、シャシーの微調整、新グレードの追加などを実施。最新モデルは熟成に熟成を重ね、高い完成度を誇る。
どのモデルも後輪駆動らしい個性的な走りを実現しており、ドライバーとの一体感も深い。生き生きとした比類のないキャラクターは、30年前の初代モデルからまったく変わっていない。今回紹介する10台の中でこれほど「笑顔」が似合うクルマはない。
6. モーガン・スーパー3
おすすめ:クラシックカー愛好家
長所:ユニークで楽しい
短所:それをさらに遠くへ持って行くための莫大なコミットメント
2012年に発売された先代モデルの3ホイーラー(スリーホイーラー)は、モーガンにとって意外なヒット作であった。10年で約2500台が販売されたが、これはモーガンのような小規模メーカーにとっては、限りなくメガヒットに近い。
2022年に公開された新型車は、名称を「スーパー3」に改め、先代モデルのスピリットと魅力を引き継ぎながら、より汎用性の高い現代的なパッケージングにまとめられている。モーガンのさらなる成長拡大が期待される1台だ。
ユニークな三輪レイアウト(前二輪、後一輪)や、ひっくり返ったバスタブのような外観はそのままに、より強固なモノコック構造と洗練されたサスペンションを採用。パワートレインは、従来のハーレーダビッドソン製Vツインエンジンに代わり、フォードの直列3気筒ターボエンジンを搭載している。5速MTはマツダMX-5から拝借した。
最高出力は120psと控えめだが、車両重量わずか635kgと非常に軽い。細いタイヤでコーナリングに挑むとき、代えがたい喜びを与えてくれる。適度なグリップとバランスのとれたハンドリングにより、どんな速度域でも楽しく、一般道でも扱いさすい。
ただし、ルーフが無いため、長距離ドライブにはある程度の覚悟(と天候対策)が必要だ。4万ポンド(約750万円)という価格も安いとは言い難い。高性能のスポーツカーは他にもあるし、先代モデルの方が個性は強かった。しかし、普通の街中を走るだけでも喜びの瞬間に満ち溢れており、これほど心が高鳴るクルマはないだろう。
画像 日本が誇る2ドア・スポーツカー! 世界でも大ヒット【トヨタGR86とマツダ・ロードスター(欧州仕様)を写真で見る】 全43枚