ポルシェ911に「48Vマイルドハイブリッド」導入決定! 今夏、史上初の電動化へ 何が変わる?

公開 : 2024.03.13 06:05

ポルシェが今夏「911」にハイブリッド・パワートレインを導入することを発表。史上初の電動化バージョンの登場だ。48V MHEVの四輪駆動モデルとなる見込みで、マイナーチェンジの一環として設定される。

史上初ハイブリッド マイチェンの一環として登場

ドイツの自動車メーカーであるポルシェは3月12日、スポーツカーの「911」で史上初のハイブリッド・パワートレインを導入することを明らかにした。今夏に実施予定の改良の一環とされる。

この改良では、内外装のデザイン見直しやエンジンのアップデートなど、さまざまな変更が予定されている。同時に、新モデルとしてマイルドハイブリッド(名称未定)が追加されることになった。

今年の夏、ポルシェ911に史上初の「ハイブリッド」が導入される。(編集部作成予想イメージCG)
今年の夏、ポルシェ911に史上初の「ハイブリッド」が導入される。(編集部作成予想イメージCG)    AUTOCAR

従来の6気筒ターボエンジンと、専用設計の電気モーターを組み合わせる。エンジンで後輪を、電気モーターで前輪を駆動する。48Vのスターターモーターにより、パワーの追加と補機類の電力を賄う。

急速な充放電特性に特化した小型軽量リチウムイオンバッテリーを採用し、回生ブレーキ機能も備わる見込みだ。

重量増加の観点から、現行世代の911ではプラグインハイブリッド(PHEV)が導入される可能性は低い。

仕様詳細についてはまだ伏せられているが、例えば「ターボEハイブリッド」や「ターボS Eハイブリッド」のように複数のモデル設定が予想される。

高性能モデルの911 GT2 RSにも、まもなく最高出力800psを超える新型のハイブリッドが導入予定だ。こちらはポルシェのモータースポーツ部門やリマックとの共同開発によって生まれたパワートレインを搭載するが、具体的な発売時期は未定だ。

911の改良とハイブリッド導入は、排ガス規制に対応したものである。現時点では、完全電気駆動のバッテリーEVの導入計画はない。ポルシェはeフューエル(合成燃料)の研究開発と生産に力を入れ、内燃エンジンを継続する意向を見せている。

改良新型911、何が変わる? 主な変更点

冷却性能の強化:

フロントラジエーターとブレーキの冷却性能を強化するため、エアダクトの形状を変更する。可動式パーツを採用して冷却と空気抵抗のバランスをとる可能性が高い。また、フロントバンパー中央部には大型エアダクトが設けられる。

ヘッドライトの変更:

ウインカー(ターンシグナル)を統合した改良型ヘッドライト・アセンブリーに変更。新型カイエンと同様に、ヘッドライトは1ユニットあたり3万2000ピクセル以上のHDマトリックスLED機能を持ち、最大600m先の道路を照らすことができると期待されている。

リアエンドの一新:

欧州で目撃されている改良新型911のプロトタイプ
欧州で目撃されている改良新型911のプロトタイプ    AUTOCAR

リアバンパー、ディフューザー、テールライトに新デザインを採用。

インテリアのアップグレード:

表面上の違いは少ないが、車載システムのアップグレードが行われる見込みだ。デジタル・インストゥルメント・ディスプレイへの新しいグラフィックの採用も期待される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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