えっ、これがレグノなの? 驚きのモデルチェンジを遂げたGR-XⅢが登場、静かで快適なだけじゃない!

公開 : 2024.03.15 07:05

ブリヂストンは「レグノ」ブランドの新型REGNO GR-XIIIを発表しました。今回はテストコースと一般道で早速試します。ブリヂストンのタイヤづくりを根本から変える大きな変革となるモデルチェンジとなったようです。

単なるレグノの進化に留まらないモデルチェンジとは

執筆:Satoshi Saito(斎藤聡)

ブリヂストンのレグノがモデルチェンジしてGR-XIIIとして新たに登場した。

じつはこのモデルチェンジは、単にレグノが進化したというだけにとどまらない、ブリヂストンのタイヤづくりを根本から変える大きな変革となるモデルチェンジとなった。

ブリヂストンのレグノがモデルチェンジ
ブリヂストンのレグノがモデルチェンジ    ブリヂストン

キーテクノロジーとなるのはENLITEN(エンライトン)と呼ばれるブリシストン独自のタイヤ設計基盤技術にある。これを駆使することによって新構造、新形状、新トップゴムを開発。静粛性と快適性に優れたレグノの特徴を継承しながら、進化させている。

ブリヂストンにとって新しいタイヤづくりのアプローチを行っているのがわかる端的な例はタイヤの構造だろう。従来はケース(骨格)やタイヤを構成するゴムによって剛性を作り出し、空気圧による張力で剛性を補強するという考え方で作られていたが、GR-XIIIは、ぜい肉をそぎ落とすかのようにゴム量を少なくし軽量化したうえで、充てんする空気の張力で剛性が高められるように内部の形状を設計しているのだ。

つまり、例えば乗り心地一つとっても従来とは異なる機能を使って作り出しているのだ。ちなみに、タイヤの重量は従来比で10%前後の軽量化を実現しているという。

またノイズの要因となる路面からの振動も、ゴムボリュームで減衰するのではなく、新コンパウンドに振動(≒ノイズ)を吸収する働きも持たせることで、ノイズ低減を図っている。

つまり全く違ったタイヤの作り方で静粛性や快適性を先代よりも進化させ、さらに時代のニーズに合った性能を盛り込んでいるというわけなのだ。

さっそく試乗、まずはテストコースへ

試乗にあたって興味をそそられたのはタイヤの作り方が180度といっていいほど変わったこと。果たしてレグノの強みである静粛性、乗り心地はどう変化しているのか。また操縦性はよくなっているのか。

まずはテストコース内で、静粛性と乗り心地を中心にテストしてみた。走り出してまず感じたのはその滑らかなタイヤの転動感だった。転がり抵抗の少ないタイヤならではのスムーズな走り出し、そして滑らかな走り味が心地よい。

ブリヂストンのレグノがモデルチェンジ
ブリヂストンのレグノがモデルチェンジ    ブリヂストン

うんと意地悪くタイヤの乗り心地を観察してみると、タイヤが軽いことによる振動の出方に従来のレグノとの違いがみられるのだが、ゴム量が多く重い従来モデルよりも、主にサイドウオール(≒タイヤ側面)がしなやかに変形している感触があって、よりしっとりしてマイルドな乗り味になっている。特にそれを感じたのは直径10mmほどのロープの上を新旧タイヤで通過したときの振動の違い。

GR-XIIIの方が軽くゴム量が少ないため振動の抜けが素早くすっきりした乗り味になっている。これも新旧の違いとして挙げられると思う。

乗り味がマイルドだと操縦性はあまり期待できないのでは? と思われるかもしれないが、これもしっかりよくなっていた。基本スタンスはプレミアムコンフォートタイヤなので、切れ味のいいスポーツ性を期待してはいけないが、タイヤのトレッド面の変形や歪み、ねじれ、サイドウオール部のたわみが、たぶんものすごくバランスよく整っている。

120km/hのレーンチェンジでの落ち着き、無駄な修正舵の少なさも確認でき、運動性能の向上も認められた。

記事に関わった人々

  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事