【追悼】マルチェロ・ガンディーニの遺した名車を振り返る 50選 前編 伝説の自動車デザイナー、逝く

公開 : 2024.03.16 18:05

マセラティ、フィアット、BMW、ランボルギーニなど数多くのデザインを手がけた故マルチェロ・ガンディーニ氏。その多才ぶりを写真とともに振り返る。

多作にして多才 自動車デザインの巨星

2024年3月13日、伝説的な自動車デザイナー、マルチェロ・ガンディーニ氏が85歳で逝去した。

トリノ出身のガンディーニ氏は、1960年代半ばに著名なデザイン会社ベルトーネに在籍し、ランボルギーニ・ミウラ、ランチア・ストラトス、フェラーリ308/GT4などのデザインを担当し、名を馳せた。

マルチェロ・ガンディーニ氏が多才ぶりを発揮した50台の名車を写真とともに振り返る。
マルチェロ・ガンディーニ氏が多才ぶりを発揮した50台の名車を写真とともに振り返る。

独立後もさまざまなメーカーと協業し、数多くのコンセプトカーと市販車を世に送り出してきた。自動車デザインに与えた影響は計り知れない。

ここでは、ガンディーニ氏とその偉大な仕事に敬意を表し、彼の最高傑作を50台紹介する。

(マルチェロ・ガンディーニ、1938年8月26日トリノ生まれ、2024年3月13日リボリ没)

ランボルギーニ・ミウラ(1966年)

ガンディーニ氏がミウラをデザインしたのは、ジョルジェット・ジウジアーロ氏の後任としてデザイン会社ベルトーネで働いていたときだった。これが少々物議を醸しており、ジウジアーロ氏はミウラの開発の一部に関わっていると主張したが、ガンディーニ氏とランボルギーニはこれを否定している。

ランボルギーニ・ミウラ(1966年)
ランボルギーニ・ミウラ(1966年)

ポルシェ911ロードスター(1966年)

このクルマは、ポルシェのカリフォルニア州の販売代理店であるジョニー・フォン・ノイマンに依頼されたものだ。2シーター・コンバーチブルの需要に期待し、1966年のジュネーブ国際モーターショーでコンセプトカーが発表されたが、その反響は寂しいものだった。

ポルシェ911ロードスター(1966年)
ポルシェ911ロードスター(1966年)

ジャガーFT 3.8(1966年)

外観からは判断が難しいが、ジャガーFT 3.8のベースとなったのはSタイプである。

イタリアのジャガー輸入業者であるフェルッチオ・タルキーニ(車名の「FT」の由来)の依頼で、モダンなルックスを持つ高級4人乗りクーペを販売する計画だった。しかし、1966年のジュネーブ国際モーターショーで披露された後、今度はジャガー420のプラットフォームをベースに、もう1台だけ製作された。

ジャガーFT 3.8(1966年)
ジャガーFT 3.8(1966年)

BMW E3(1966年)

BMWは1960年代半ば、経営破綻を回避するために改革を余儀なくされていた。まず「ノイエ・クラッセ」というセダンが登場し、その上にコードネーム「E3」と呼ばれるニュー・シックスが置かれた。

当初の計画では、排気量1.8Lまたは2.0Lの4気筒エンジンを搭載することになっていたが、1968年の生産開始時には2.5Lから3.3Lの6気筒エンジンが採用された。

BMW E3(1966年)
BMW E3(1966年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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