【追悼】マルチェロ・ガンディーニの遺した名車を振り返る 50選 後編 伝説の自動車デザイナー、逝く
公開 : 2024.03.16 18:25
フィアット・ビジターバス(1975年)
フィアット初のミニバン(MPV、ピープル・キャリア)は600ベースのムルティプラで、1965年にはやや大型の850Tが導入された。1970年代に入ると、850Tの後継車開発がベルトーネに依頼された。
ガンディーニ氏は、850Tのプラットフォームをベースに6枚のサイドドアを採用し、3列シートへの乗降を用意にした。「ビジターバス」という奇妙なネーミングとともに走行可能な状態で発表されたが、ワンオフのままフィアットの工場見学に使われた。
ランボルギーニ・シルエット(1976年)
ランボルギーニは1970年代のほぼ全期間にわたって苦境に立たされていた。ウラッコの販売が軌道に乗らず、2シーターのジュニアスーパーカーを作ることになった。
しかし、ゼロから新型車を開発する資金がなかったため、ウラッコをベースに、最高出力260psにチューンされた3.0L V8を搭載するタルガルーフのシルエットが誕生。しかし、売れ行きは芳しくなく、ランボルギーニが破産するまでにわずか52台しか生産されなかった。
フェラーリ308GTレインボー(1976年)
フェラーリは長年ピニンファリーナと密接に仕事をしていたため、ベルトーネとの接点は小さかった。そこでベルトーネは、1976年のトリノ・モーターショーで308GTレインボーを披露し、フェラーリにアピールした。
308GT4のプラットフォームをベースに4インチ短くし、直線と平面からなるボディを組み合わせた。ルーフパネルを回転させてシート後方に収納し、オープントップにすることができるという革新的な構造を持つ。
アルファ・ロメオ・ナバホ(1976年)
量産化される可能性のない夢のフライト。これこそ、かつてのコンセプトカーの醍醐味だった。ナバホは、33ストラダーレからプラットフォームと主要部品を流用し、最高出力230psの2.0L V8をミドマウントしている。
ヘッドライトは横に飛び出し、リアスポイラーは車速に応じて調整可能で、キャビンには戦闘機にインスパイアされたダッシュボードを備えている。
ジャガー・アスコット(1977年)
1970年代のガンディーニ氏は、明らかに直線を愛していた。曲線というものはまるで見当たらない。例えば、アスコット。ベースとなっているのがジャガーXJ-Sだとは思いもよらないだろう。5.3L V12が搭載され、ハッチバックの実用性と、スエードで覆われたインテリアが備わるコンセプトカーだ。
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