2024年版 タフでおしゃれな現代ピックアップトラック 10選 快適性も高い最新モデル
公開 : 2024.04.07 18:05
6. マクサスT90 EV
長所:コストパフォーマンスが高い
短所:質感は高くない、落ち着きのない乗り心地
欧州では商用車の電動化が着々と進んでいるが、ピックアップトラックはまだまだ「これから」といったところ。希少な電動トラックの1つがマクサスT90 EVだ。
中国の巨大企業SAIC(上海汽車)が所有するマクサスによって、欧州市場を強く意識して開発された中型トラックである。英国では1000kg以上積載できるが、他の国や地域では1000kg未満に制限される。
マクサスは、SAICが英国の商用車メーカーであるLDV(旧:レイランドDAF)を買収した際に誕生した。そのためか、T90 EVは特に英国販売に力が入っており、60店舗からなる現地ディーラー網を通じて、税抜き5万ポンド(約950万円)弱から発売されている。電動商用車のため従来のディーゼル・トラックよりも税制優遇が厚く、大幅な節税になる。
最高出力204psの電気モーターを搭載しており、パワーと加速力、ドライバビリティは十分だ。しかし、パワートレインは近代的だが、内外装はかなり地味で、装備もまばらだ。
乗り心地とハンドリングは、ピックアップトラックであることを考慮してもやや粗い。特に乗り心地は、積載能力強化のために損なわれている。
実走行での航続距離はおよそ320kmで、高速道路を多用する場合はもう少し短くなる。
7. イネオス・グレナディア・クォーターマスター
英国の大手化学会社であるイネオス・グループの自動車部門(イネオス・オートモーティブ)は、大型SUV「グレナディア」を販売している。そのピックアップトラック版がクォーターマスターだ。
価格は6万6215ポンド(約1260万円)から。弊誌はまだ試乗できていないが、走りはSUVのグレナディアに非常に近いはずだ。ボディはSUVより305mm長く、荷台は長さ1564mm、幅1619mmで、標準的なユーロパレットを積める大きさだ。
最大牽引能力3500kg、最大積載量は835kgまたは760kg(ガソリン車とディーゼル車で異なる)。積載量はやや少なく、また高価であるため商用車というよりは高級乗用車と見るべきだろう。とはいえ、荷台には400Wの電源と4つのタイダウンリングが装備され、テールゲートはオープン時に225kgまで支えられるなど、実用性は低くない。
最低地上高は264mmで、最大渡河能力は800mm。アプローチアングル35.5度、ブレークオーバーアングル26.2度、デパーチャーアングル22.6度と、ピックアップトラックとしてはトップクラスのオフロード性能を誇る。