同額ならどっち選ぶ? ポルシェ・タイカン・ターボGT/タイカン・ターボGTヴァイザッハパッケージ
公開 : 2024.03.19 17:45 更新 : 2024.03.19 22:13
パワートレインの新しいパワーエレクトロニクス
ポルシェは最近、タイカンのモデルラインを大幅にアップグレードして全体的なシステム出力を向上させた。
特に、新しいリアアクスルモーターを備えて強化されたパワートレインにより、先代モデルよりもさらにダイナミックなパフォーマンスが可能になっている。
タイカン・ターボGTとタイカン・ターボGTヴァイザッハパッケージは、タイカンのパフォーマンスを次のレベルに引き上げる新しいスポーツフラッグシップモデルであり、より強力なパルスインバーターを装備し、両モデルともに580kWを発生するとポルシェは述べる。
ローンチコントロール使用時のオーバーブーストパワーは最高760kW、最高出力測定法に従うと2秒間で最大815kWに達するとしている。
タイカンターボGTの静止状態から100km/hまでの加速タイムは2.3秒、ヴァイザッハパッケージ装着車両の場合はわずか2.2秒で、タイカンターボSより0.1~0.2秒速くなるという。
静止状態から200km/hまでの加速は、タイカン・ターボGTが6.6秒、タイカン・ターボGTヴァイザッハパッケージが6.4秒で、タイカン・ターボSより最大1.3秒速くなり差はさらに大きくなると強調した。
パルスインバーターは、電動モーターを制御するための重要なコンポーネントであり、タイカンターボGTの両モデルでは、リアアクスルに最大電流900Aのパルスインバーターが使用されている。
これらはタイカンターボSの600Aのパルスインバーターを上回る出力とトルクを提供し、効率を高めるために、パルスインバーターの半導体材料として炭化ケイ素も使用されている。
これによってPWRのスイッチング損失が大幅に低減され、より高いスイッチング周波数が可能となった。変速比とギアボックスの堅牢性も改善されて、さらに高いトルク値を実現しており、両バージョンとも最大トルクは136.64kg-mを発揮。タイカンターボGTモデルの航続距離は最大555km(WLTP)だ。
その他の装備はどんな感じ?
カーボン装備とポルシェアクティブライド:軽量設計とシャシー
ポルシェはインテリジェントな軽量設計によって、タイカン・ターボSと比較してタイカン・ターボGTを最大75kg軽量化したと発表している。
数多くのカーボンパーツがこれに貢献し、Bピラートリム、ドアミラーのアッパーシェル、サイドスカートのインレイなどにカーボンファイバーが使用された。CFRP製のフルバケットシート、軽量ラゲッジコンパートメント、テールゲートの電動ソフトクローズ機能の削除も軽量化に寄与している。
タイカン・ターボGTにはダイナミクスパッケージが標準装備される。ここにはGT専用チューニングを施したポルシェアクティブライドサスペンションも含まれ、ダイナミックな走行条件において、このサスペンションがホイール荷重をバランスよく配分して路面とのほぼ完璧な接続を実現するという。
さらにパッケージには、スペシャルパフォーマンスサマータイヤと21インチ軽量鍛造ホイールが含まれ、ターボGT専用ホイールは、スポークにリリーフポケットを採用し、軽量化と同時にブレーキの効果的な換気を促す。
標準装備の軽量セラミックブレーキはポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)をベースにしたシステムで、重量の観点から最適化が図られた。
ブレーキディスクチャンバーとブレーキキャリパーハウジングの設計変更により、2kg以上の軽量化を実現。これは、ドライビングダイナミクスとパフォーマンスの両方にプラスの効果をもたらし、バネ下質量と回転質量を減らすことで、パフォーマンスが向上する。更にブレーキキャリパーは専用のヴィクトリーゴールドで塗装されるという。
フラップ付きリアスポイラーと専用塗装仕上げ:エアロダイナミクスとエクステリアデザイン
ポルシェは、エアロブレード付きフロントスポイラーをタイカン・ターボGT専用に開発した。リアビューはアダプティブスポイラーが際立ち、そのティアオフエッジにはハイグロスカーボン織り仕上げのガーニーフラップが備わる。
マトリックスLEDヘッドライトは標準装備だ。タイカン・ターボGTでは、オプション(追加料金なし)でHDマトリックスLEDヘッドライトにアップグレードも可能。
サイドプロフィールを見ると、カーボンファイバー製のコンポーネントが数多くあることがわかり、サイドウインドウのトリムはハイグロスブラックで塗装される。