BMW近未来的SUV「ノイエ・クラッセX」 iX3後継? 新型コンセプト3月21日公開へ

公開 : 2024.03.19 18:05

BMWは次世代EVコンセプト「ビジョン・ノイエ・クラッセX」を3月21日に発表する。現行iX3に相当する小型電動SUVで、高効率かつ超急速充電に対応した新世代バッテリーを搭載予定。

次期「iX3」? 新型コンセプト公開へ

BMWは3月21日、次世代EVコンセプトとして「ビジョン・ノイエ・クラッセX(Vision Neue Klasse X)」を発表する予定だ。

SNSで公開された予告画像を見る限り、サイドプロファイルはiXに似ている。現行型iX3に相当するコンパクト~ミドルクラスの電動SUVとして、2026年頃に導入される見込みだ。

新型は、iX3に相当する電動SUVになると予想される。(編集部作成予想イメージCG)
新型は、iX3に相当する電動SUVになると予想される。(編集部作成予想イメージCG)

BMWはノイエ・クラッセ(ニュー・クラス)のEVシリーズとして、セダンやSUVを含む6車種を市場投入していく計画だ。昨年9月には、ビジョン・ノイエ・クラッセとして3シリーズの後継車も予告された。

ノイエ・クラッセとは何か?

第2世代となる次期iX3(コードネーム「NA5」)は、EV専用プラットフォームへ移行する。一方、内燃エンジン搭載の次期X3は従来のCLARプラットフォームを引き続き使用する予定だ。

BMWの研究開発部門責任者であるフランク・ウェーバー氏は昨年12月、弊誌の取材で、「従来のエンジン車の強みと次世代EVの開発が、BMWのさらなる成長につながると確信しています」と語った。

BMWが公開した「ビジョン・ノイエ・クラッセX」の予告画像
BMWが公開した「ビジョン・ノイエ・クラッセX」の予告画像    BMW

「BMWは今、柔軟性が求められる段階にいます。これまでのプラットフォームの考え方や認識から離れなければなりません」

「エンジン、モーター、バッテリーセル、車載コンピューター、制御ユニット、アプリ、ソフトウェア・アップグレードなどの主要コンポーネントをどのように使用し、ネットワーク化するか。ここにポートフォリオの多様性がかかっています」

「プラットフォーム構造そのものというよりは、個々のコンポーネントとその使い方が重要です。それがノイエ・クラッセです」

新世代バッテリーで航続距離アップ

次期iX3は、2025年からハンガリー・デブレツェンの新工場で生産開始予定だ。アウディQ6 eトロンポルシェ・マカンなどがライバルとなるだろう。一方、エンジン車の次期X3の生産は、引き続き米国スパータンバーグ工場で行われる。

ノイエ・クラッセでは、BMWが開発した第6世代のリチウムイオンバッテリーが導入される。既存の角柱型セルとは異なり、水冷機能を備えた新しい円筒型セルを採用している点が特徴だ。セルの標準直径は46mmで、搭載されるモデルによって95mmと120mmの2種類の高さがある。

ドイツで目撃されたBMW「ノイエ・クラッセ」SUVのプロトタイプ
ドイツで目撃されたBMW「ノイエ・クラッセ」SUVのプロトタイプ    AUTOCAR

ウェーバー氏によると、現在使用されている第5世代バッテリーと比較して、正極内のニッケル含有量が多く、逆にコバルト含有量が少ないという。また、負極はシリコン含有量を増やし、合成黒鉛の配合を変えている。これにより、体積あたりのエネルギー密度が20%向上するとのこと。

つまり、同じサイズのバッテリーで、より長い航続距離を実現できるようになる。さらに、既存の400Vシステムから800Vへ移行することで、充電速度が最大30%向上すると言われている。

現時点ではまだ不明な点も多い。さらなる詳細については3月21日の発表を待ちたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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