メルセデス・ベンツC180ブルーテック
公開 : 2014.12.03 23:40 更新 : 2017.05.13 12:50
■どんなクルマ?
メルセデスは、コンパクト・エグゼクティブ・サルーンに分類されるCクラスのエントリー・モデルに、1.6ℓの4気筒エンジンを組み合わせることを決めた。
このエンジンは2種類の差別化が図られ、ひとつは136psを発生するC200用、そしてもうひとつがわずか116psの、今回のテスト車両であるC180用だ。
Aクラスと同様に、小型のディーゼル・ユニットは(MTの場合はギアボックスも)ルノーから供給を受ける。したがってすでにおなじみの1.6 dCiとまったく同じであると見なしていい。メルセデスも、ユニットの外観と置き方(横置き→縦置き)を変更したくらいのものであると認めている。
ただしソフトウェアには変更が加えられており、メルセデスのキャラクターにあった仕立てに変わっている。変更の際には、経済性はそのままに、より力強くスムーズなトルク供給と、ノイズや振動を低減させることを目標にしたのだそうだ。
MTの場合の複合サイクル燃費は23.7km/ℓ、0-100km/hタイムは11.1秒という公表値から、モディファイは成功をおさめたと言っていいだろう。同ユニットを載せたルノー/日産のモデルよりも出力こそ劣るものの、最大トルクは20.9kg-mから28.5kg-mへと増強されている。そしてその増強分は実際に運転してみても、手に取るように看取することができた。
■どんな感じ?
あまりの洗練に驚くこと一頻り。エンジンを掛け、アイドリング。この間、フロントにディーゼルを載せていることなど微塵も感じることはない。ノイズや振動の類は一切ドライバーに伝わってくることはなく、ただただメルセデスが遮音性向上にどれほどのエネルギーを注いだのかということに感心させられる。
マニュアル・ギアボックスの動きは軽く、カチリと正確にシフトするため、使っていて実に楽しい。発進後のエンジンのフィールにも活気がある。ただしC220ブルーテックに載る、2.1ℓユニットほどの速さはない。低回転域にわずかに気の抜けた部分を見つけたが、最大トルクがわずか1500rpmでわきあがってくることから美味しい領域にすぐに持ち込むことができ、周囲の流れに合わせるのに苦労することもなさそうだ。