EVに内燃機関搭載? フィアット「500e」のガソリン版、導入の可能性 新規制対応で

公開 : 2024.03.22 06:25

フィアット500eにガソリンエンジンが搭載される可能性を欧州メディアが報じている。欧州で施工されるサイバーセキュリティ規制により、既存の500の販売が厳しくなるため。

2007年発売のガソリン車「500」 規制対応に苦戦?

フィアットの小型EV「500e」にガソリンエンジンが搭載される可能性がある。欧州メディアが報じている。

フィアットは現在、EVの500eとガソリン車の500を販売しているが、欧州で新たに導入されるサイバーセキュリティ規制により後者の販売継続が厳しくなるようだ。

フィアット500e
フィアット500e

ガソリン車の500は2007年に発売され、新規制に対応するには多額のコストがかかるという。

イタリアのコリエーレ・デラ・セラ紙が報じたところによると、フィアットはサプライヤーに対し、国内のミラフィオーリ工場での年間生産台数を17万5000台まで引き上げられるかどうかを確認しているという。

ミラフィオーリ工場では2023年、7万7260台が生産されたことから、約10万台の増産となる。自動車業界誌オートモーティブ・ニュース・ヨーロッパ誌は、サプライヤーからの情報として、増産分のほぼすべてがガソリン車の500だと報じている。

欧州のサイバーセキュリティ規制により、ポルシェ・マカンと718ボクスター/ケイマンのEU加盟国での販売も間もなく終了する。

EVに内燃エンジンを搭載するのは前代未聞の試みだ。

本稿執筆時点ではフィアットからの公式発表はない。ガソリン車を改良し、新規制に対応する可能性もある。

ガソリン車の500はフィアットにとって重要なモデルである。調査会社ジェイトー・ダイナミクスによると、昨年フィアットとアバルトの500シリーズは欧州全体で17万3187台販売され、そのうちガソリン車は10万8943台を占める。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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