スバル・クロストレック 詳細データテスト 手頃なサイズに優れた悪路走破性 パワー不足は否めない
公開 : 2024.03.23 20:25 更新 : 2024.03.29 19:22
内装 ★★★★★★★☆☆☆
外装でも触れたように、キャビンも快適性や洗練度を高める細部の改良が数多く実施された。ドライビングポジションを最適化するためには、ドライバー周りの空間を数cm単位で拡大。シートの設計も巧妙になり、サポート性向上だけでなく、ヘッドトスの軽減も図られた。
着座位置はやや高めだが、とくにSUV的というわけではない。前席のレッグルームは広く、ヘッドルームもまずまず。ウインドウの面積が大きく、ピラーの太さが控えめなので、全方位とも視認性は上々だ。
室内の雰囲気はいかにもスバル車だが、このクラスのハッチバックと大きく違うのは実体スイッチが少ないこと。とはいえ、エアコンやシートヒーター、ミラー調整やトリップコンピューターといった、頻繁に使う機能は扱いやすいので、これは実用的なアプローチだと言える。
やや古臭く感じるのは、アナログメーターと、11.6インチディスプレイに用いられたグラフィックや90年代風フォントのせいだろう。しかし、もろもろ省略してデジタル化を進めた他社の最新デザインより、このほうがずっと受け入れやすいのもまた事実だ。
マテリアルのクオリティはおおむね立派なものだが、グレーのパーツに仕上げでリッチさを加え、硬くてプレーンなプラスティックより立派に見せようとした試みが成功しているとは言い難い。少なくとも、プレミアム感は見出せないだろう。
後席はなかなかの広さだ。われわれの計測法では、レッグルームはフォルクスワーゲン・ゴルフの8代目を40mm上回る。ただし、ヘッドルームはわずかながらゴルフVIIIに届かない。
荷室の前後長と幅は、このクラスのハッチバックの水準を超えるのだが、深さがやや足りない。これはハイブリッドシステムにより、床下の収納スペースが占拠されているせいだ。