スバル・クロストレック 詳細データテスト 手頃なサイズに優れた悪路走破性 パワー不足は否めない
公開 : 2024.03.23 20:25 更新 : 2024.03.29 19:22
操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆
新型のデュアルピニオン・パワーステアリングは、最新のWRX用に開発されたが、クロストレックにも採用された。目的は、センター付近でのフリクションを減らし、ハンドリングフィールをより精確にすることだ。
重心が高く、オン/オフのデュアルパーパスタイヤを履いたクルマでは、予想できるかもしれないが、変革的にダイナミックな進歩を得られるものではない。それでも、クロストレックがモアパワーを容易に受け止めるだろうことは疑う余地がない。
操舵は一定してやや重めの手応えで、ギア比は中くらい。過剰にロールすることなく路面にグリップし、タイトコーナーの出口でもパワートレインに見合ったトラクションを生んで、アンダーステアに陥ることがない。
要するに、20年前のスバルのドライバーズカーのように、ターンインから落ち着いて進み、安定してコーナーを抜ける感じが、このクルマにもあるということだ。そのうえ、サスペンションは大きなホイールトラベルとプログレッシブなダンピング、良好な垂直方向のボディコントロールを備えている。
悲しいかな、クロストレックは走り重視のドライバーを満足させるクルマではない。とはいえ、かつてWRCを席巻した頃のスバル車のような走りを期待しなければ、とくに不満を覚えるようなものではないのもまた事実だ。