BMW 「ノイエ・クラッセ」SUV初公開 iX3後継か キドニーグリル小型化、2025年生産開始

公開 : 2024.03.25 06:05

高性能コンピューターによる先進の駆動制御システム

動力性能についてはまだ明らかにされていないが、ノイエ・クラッセのプロジェクト責任者であるマイク・ライヒェルト氏は、「バッテリーセルを最大限に活用」し、「効率的な動力性能」を持つとした。

パワートレインには、新型モーターと、円形セルのリチウムイオンバッテリーからなる第6世代のeドライブ・システムを採用した。EV専用のタイヤとブレーキを新設計し、全体的な効率性を最大25%向上させ、航続距離を最大30%伸ばしたという。

BMWビジョン・ノイエ・クラッセXコンセプト
BMWビジョン・ノイエ・クラッセXコンセプト    BMW

バッテリーは従来品と比べてエネルギー密度が20%高く、800Vの駆動電圧システムにより、充電速度も最大30%改善された。BMWは、わずか10分で300km分の航続距離を賄えるとしている。

また、ビジョン・ノイエ・クラッセXは、「同等モデル」の現行モデルよりも空気抵抗を20%低減しているという。

動力性能の鍵を握るのは4台の高性能コンピューターで、ドライビング・ダイナミクスや自動運転などを制御する「スーパー・ブレーン」と表現されている。運転支援機能においては、現在の技術より5倍以上速い処理速度を誇る。

特筆すべきは、一度に最大4基の電気モーターを制御できることだ。ほとんどのノイエ・クラッセEVは1~2基のモーター・パワートレインを搭載する見込みだが、いずれは高性能の「Mモデル」も可能になるはずだ。

ビジョン・ノイエ・クラッセXを発展させた市販車は来年発売され、ハンガリーのデブレツェン工場で生産開始となる。車名や価格、仕様詳細についてはまだ発表されていない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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