山積するタスク 車載ソフトウェアの開発現場はどうしてる? 2枚のボードで「人中心」の品質革新

公開 : 2024.03.23 14:05

ソフトウェアを創るのはやっぱり人

規模が広がるばかりのソフトウェア開発の現場では、属人化・暗黙知・高稼働状態が課題となっている。

埋もれてしまいそうなバラツキや気づきを2枚のボードに炙り出せば、誰でも開発のマネジメントを再現でき、1人ひとりの力を活かせる環境・風土作りを継続していける。

マツコネ2を支えるCMUを開発したパナソニック オートモーティブシステムズ社インフォテインメントシステムズ事業部の中村知樹IVIシステムズビジネスユニット長
マツコネ2を支えるCMUを開発したパナソニック オートモーティブシステムズ社インフォテインメントシステムズ事業部の中村知樹IVIシステムズビジネスユニット長    パナソニック オートモーティブシステムズ

これ以外にも、知識・ノウハウの標準化&見える化、開発後期の状況を予測する予測型マネジメントの導入。また、コロナ禍で定着したリモート開発、それに自動テスト・自動評価・自動解析といったプロセスの自動化を進めることで、ソフトウェアがリリースされるまでのフローを高速駆動する環境を整えてきたという。

こうした取り組みは、人中心のマネジメント革新として評価され、日本科学技術連盟から「品質革新賞」を授与されているから聞いたことがある人も多いだろう。

また、パナソニック オートモーティブシステムズ社はレクサスNXの北米・欧州向けIVI(インビークル・インフォテインメント)も開発しており、その際にトヨタから技術開発やプロジェクトの表彰を受けている。

2022年度、同社の中でインフォテインメントの事業は、売上が4855億円に達した。パナソニック オートモーティブシステムズ全体の売上が約1.3兆円だから、4割近くを占めることになる。

ハードよりもソフトウェアがクルマの価値を決める時代は、魅力あるソフトの開発がものを言う。もっといいクルマを、もっと早く作るために、人を活かす組織力がますます問われている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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