公道でゴーカート気分! ミニ・ハッチバック(初代) CVTの不調にご注意 UK中古車ガイド

公開 : 2024.03.31 19:05

新車時代のAUTOCARの評価は

独創的な自動車のデザインを再興することは、タイタニック号を引き上げるのに匹敵するほど、困難な課題かもしれない。しかし、新しいミニを見れば、それに成功したことがわかる。

1997年のフランクフルト・モーターショーでの発表以来、長く待ってきた甲斐は充分にあった。これまで目にしてきた傑作へ負けないくらい、優秀な懐古的デザインをまとっている。(2001年5月23日)

ミニ・ハッチバック(初代/2001〜2006年/英国仕様)
ミニ・ハッチバック(初代/2001〜2006年/英国仕様)

オーナーの意見を聞いてみる

マーティン・ストークス氏

「わたしのクーパーは、2005年式で走行距離は9万3300km。購入して2年弱ですが、楽しさは増す一方。今のところ、まったくトラブルはありません」

ミニ・ハッチバック(初代/2001〜2006年/英国仕様)
ミニ・ハッチバック(初代/2001〜2006年/英国仕様)

「この1台を見つけるまで、一生懸命探しましたよ。ミニの中古車は沢山ありますが、写真での印象は良くても、実際に現物を見るとくたびれていたり、整備が不充分という例も少なくありません」

「このクルマには、アンダーコートが施されています。燃費は平均で14.0km/L前後。保険料もお手頃です。過去にオリジナルのミニを所有していたことがありますが、遥かに大きいとはいえ、それを思い起こさせるクルマですね」

購入時に気をつけたいポイント

ボディ

基本的に錆びにくいが、ドアの下側、テールライトの周辺、テールゲートのハンドル付近は弱いようだ。ボンネットとバンパー、ドアなどのパネルの隙間にばらつきがないか確かめる。クリア層の剥離にも注意したい。

フレームレス・ウインドウで、ドアを開くと僅かにガラスは下がる。コンバーチブルでは、電動ソフトトップがしっかり固定されるか確かめたい。

エンジン

ミニ・ハッチバック(初代/2001〜2006年/英国仕様)
ミニ・ハッチバック(初代/2001〜2006年/英国仕様)

中古車で安く買えるだけに、メンテナンス状態は要注意。ラジエタークーラントやエンジンオイルが酷く汚れていたり、ガスケットからオイルが漏れていたり、古いオイルフィルターが付いたままなら、怪しんだ方が良いだろう。

エグゾースト系は錆びやすく、交換費用は安くない。トライテック・エンジンはタイミングチェーン。信頼性は高いものの、エンジンオイルの交換をサボるとチェーンとテンショナーの寿命を縮めてしまう。

発進時に不自然な振動を伴うなら、エンジンマウントの劣化を疑う。スーパーチャージャー・フルードの交換履歴も確かめたい。故障やフルード漏れを引き起こす。内部ギアの劣化で、加熱する場合もある。

ディーゼルエンジンは、ヘッドガスケットやシリンダーライナーに不具合が出やすい。

トランスミッション

初期のワンとクーパーに載っていた、ミッドランド社製の5速MTは、ベアリングの摩耗やギアの異音などを引き起こしやすい。2速や5速へ入りにくい場合もある。後期のゲトラグ社製は信頼性が高い。CVTの不調は珍しくない。

サスペンションとブレーキ、ステアリング

サスペンション・ブッシュ、ボールジョイント、ダンパーの劣化具合を確かめたい。サスペンション・アームのサビ、ブレーキフルードとディスク、パッド、ブレーキパイプの状態もチェックポイント。

ステアリングの反応は、鋭敏で正確なのが正常。パワーステアリング・ポンプは、唸るようなノイズを出しがち。故障を示すものではないが、いずれ交換は必要になる。

インテリア

ダッシュボードは走行時にガタつきやすい。シートは、リクライニングレバーが折れがち。カーペットが不自然に濡れている場合は、Aピラーから雨水が侵入した可能性がある。エアコンの動作も要確認。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事