2024年版 世界をリードする高級EV 10選 「静か+速い」最先端の移動体験
公開 : 2024.04.13 18:05
2. BMW iX
長所:抜群の快適性、汎用性の高さ、室内の広さ、高級感あるインテリア
短所:賛否両論あるエクステリアデザイン、回生ブレーキに改善の余地あり
「他に類を見ないBMW」……試乗した弊誌のグレッグ・ケーブル記者は、iXをこのように表現した。i7と同様、エクステリアデザインには眉をひそめる人も多いだろう。いずれにせよ、波紋を広げることを意図したデザインであることは間違いない。電動化を成し遂げようとするBMWが、転換点として全身全霊を捧げたクルマがiXだ。
ボディサイズはX5と同等だが、軽量複合材料を使用した専用プラットフォームをベースとし、電気モーターを前後1基ずつ搭載している。
エントリーグレードのiX xドライブ40の英国価格は7万ポンド(約1340万円)弱で、最高出力300psと航続距離400km(WLTP)を実現する。上位グレードのiX xドライブ50では9万2000ポンド(約1760万円)からとなるが、最高出力523ps、航続距離600kmに向上し、200kWの急速充電に対応する。しかし、いくら軽量なプラットフォームを使っているとは言え、車重2500kgを下回ることはない。
弊誌の比較テストでは、快適性においてメルセデス・ベンツEQSセダンより一枚上手だった。EQSも快適だが、iXの乗り心地の良さと洗練性は抜群で、非常に魅力的な高級車である。また、近年のメルセデス・ベンツには先進性を重視する未来志向が表れているが、BMWは個性的でぬくもりがあり、堅苦しくない味付けとなっている。
SUVならではの広さと汎用性の高さも特徴だ。深くくつろげる控えめな高級感、そして世界トップクラスのロール制御とドライバビリティ、痛快なパフォーマンス、実走行でも十分な航続距離を兼ね備え、他の電動SUVの追随を許さない。iXは高級車として、高い完成度を誇るモデルだ。
3. ポルシェ・タイカン・クロスツーリスモ
長所:センセーショナルな動力性能、幅広いパワートレイン、驚くほど実用的
短所:航続距離はもはやトップクラスではない、価格が高い、後部座席が狭い
ポルシェ初の量産EVであるタイカンは2020年のデビュー以降、バリエーションを大きく広げてきた。1~2基の電気モーター、後輪駆動と四輪駆動、性能、そしてボディタイプを幅広く用意している。このような選択肢の広さが、大きな魅力の1つとなっている。
基本的にどのグレードを選んでも世界トップクラスの能力を持っており、車高の上がるクロスツーリスモでも、ダイナミクスが弱まることはない。
不思議なほど路面に吸い付く高い安定性を特徴とし、情報伝達量の多いステアリングホイール、繊細なレスポンス、理想的なバランス、そして速さを備えている。航続距離はトップクラスではないが、ほとんどの仕様で、実走行400kmは達成できるだろう。
タイカン・クロスツーリスモは最大5人乗りで、BMW 3シリーズ・ツーリングに匹敵するトランク容量を確保し、あらゆる量産EVの中でも特に完成度が高い。