2024年版 世界をリードする高級EV 10選 「静か+速い」最先端の移動体験
公開 : 2024.04.13 18:05
8. メルセデス・ベンツEQEセダン
長所:乗り心地の良さ、ゆったりとした運転体験、豪華な車載システム
短所:室内のパッケージング、メルセデスらしい重厚感がない
EQEとEQSの関係性は、従来のEクラスとSクラスのそれに相当する。ティアドロップ(涙滴)型の輪郭、ほとんど継ぎ目のないシームレスな表面処理、緩やかな弧を描く「ワンボウ」シルエットまで、良くも悪くも小型版EQSである。
EQSのEVA2プラットフォームの短縮版を採用しているため、同じような巨大バッテリーを搭載するスペースはないものの、公称航続距離は90kWh(使用可能容量)搭載のEQE 350+で約630kmとされている。
後輪駆動、四輪駆動、高性能のAMGなど複数のモデルが用意され、選択肢は広い。エアサスペンションは驚くほど快適で、静粛性が高く風切り音も少ない。ワインディングロードでのハンドリングもなかなかに優れている。
ただ実際のところ、EQSほどのインパクトはなく、室内空間の使い方やデザインについてはまだ納得がいかないところもある。やや無味乾燥しており、願わくば、もっとメルセデス・ベンツらしさが欲しい。
9. メルセデス・ベンツEQC
長所:ストレスフリーのパフォーマンス、総合的な使いやすさ、快適性と汎用性が高い
短所:航続距離の短さ、記憶に残らないダイナミクス、味気ないエクステリアデザイン
EQCは実用性と力強さ、上質さ、そしてゼロ・エミッション走行を兼ね備え、日常的に使いやすい電動SUVである。発売当時は、高機能なインフォテインメント・システムと車載ナビ、上質なインテリアデザインによって並み居るライバルたちを圧倒したものだ。
高級感で言えばアウディQ8 eトロン・クワトロの方が優れており、ドライバーズカーとしてはジャガーIペイスに軍配が上がる。しかし、現在でもEQCのパッケージングは素晴らしく、魅力度が高い。
EQCは内燃エンジン搭載のGLCとプラットフォームを共通化しており、最高出力408psと最大トルク78kg-m のツインモーター、トルクベクタリング四輪駆動システムを誇る。公称航続距離は最長410kmで、弊誌のテストではその80%から90%を実走行で達成できるとわかった。クラス内では競争力のある数字だが、目立ったものではない。
ドライビングモードが細かく設定されており、回生ブレーキの強度や運転支援システムを自分好みに設定するのは骨が折れる作業だ。しかし、一度設定してしまえば、あとは非常に使いやすく、快適なドライブを楽しめる。