【自宅に充電設備ナシ】 メルセデス・ベンツEQE 350 4マティックSUVにて自宅からロングドライブ
公開 : 2024.04.01 17:45
途中充電、時間のロスをなくすには?
今回のEQE SUVで体感した最高の瞬間は新東名における120km/h巡航だった。
オプション装着のエアマティックサスペンションの巧みなロードホールディング、そしてBEVならではの静粛性や振動のなさのおかげで、ちょっとした“滑空体験”ができたのである。
もちろん高速巡航ではADASに頼りっぱなし。ADASによる自動運転はレベル1から5まであるが、現在はほぼほぼレベル2に留まっている。けれど最新のメルセデスのそれを体感してしまうと、レベル2の中にも2.1から2.9まで色々とあるのだという事実を思い知らされる。
前走車の発見も早いし、加速も減速も丁寧だし、カーブではインターチェンジレベルの曲率までちゃんと追従してくれるし、あと走行中の車線内の位置が左寄りからいくぶん中央寄りになった点もありがたい。
結局途中充電はメルセデスのナビが提案した場所ではなく刈谷SAで行うことにした。隣の湾岸長島SAの方が最大150kWの充電スタンドがあるのだけれど、最大90kWのスタンドしかない刈谷の方が昼飯の選択肢が豊富だったから。
BEVの途中充電は、30分の充電時間を無駄なく過ごせるかどうかで、ロスをなかったことにできるのだ。
ロングで感じた明らかなアドバンテージ
結局、今回の旅では3回ほど途中充電を行った。クルマが提案してくれた計画ではホテルに着いたときのバッテリー残量が8%しかなかったからだ。
自宅と目的地に充電器があることを前提としているのだろう。ちなみにサービスエリアの充電器は平日だったのでどこもガラ空き。むしろEVの充電スペースに関係のないクルマが停まっていたくらい。BEVが普及していないからこその快適充電? それは本末転倒というヤツだろう。
ロングドライブは快適性能と途中充電の煩わしさを計りにかける必要があるが、今回、総計1000キロほどを走ったEQE SUVに関しては静粛性と乗り心地の良さに大きなアドバンテージがあると実感した。また走行距離に対する出費をざっくり計算した場合でも、BEVはICE車の半分以下で済むというのも大きなメリットといえる。
これまでBEVの恩恵はピンとキリにあると思っていた。つまり超高級なロールスロイス・スペクターか、日産サクラを近場のアシとして乗るか、である。だがもし1台ですべてを賄うのだとしたら、ほど良いサイズ(オプションの後輪操舵は必須だ)で機能満載のEQE SUVこそ、その有力な候補になると思う。
試乗車のスペック
価格:1369万7000円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4880×2030×1670mm
駆動方式:AWD
車両重量:2630kg
電動機種類(フロント/リア):交流同期電動機
最高出力(システム):292ps
最大トルク(システム):78.01kg-m
蓄電池種類:リチウムイオン電池
交流電力量消費率:208(WLTC)
一充電走行距離:528(WLTC)
タイヤサイズ:265/40R21(フロント)265/40R21(リア)